カレントテラピー31-1 サンプル page 23/28
このページは カレントテラピー31-1 サンプル の電子ブックに掲載されている23ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。
概要:
TRのDNA結合領域に作用し,TRと甲状腺ホルモン応答配列との結合を解離させ,TRを介する転写を抑制する.また,難燃剤として現在も用いられているポリ臭素化ジフェニルエーテル類の一部にも同様の作用がある.さらに....
TRのDNA結合領域に作用し,TRと甲状腺ホルモン応答配列との結合を解離させ,TRを介する転写を抑制する.また,難燃剤として現在も用いられているポリ臭素化ジフェニルエーテル類の一部にも同様の作用がある.さらに,作用機構は明らかではないがTR作用に影響を及ぼす物質として,フタル酸類の一部,および上記とは異なるPCB同族体が挙げられる.フタル酸もBPAと同様にプラスチック可塑剤として用いられている.作用機構は明らかではないが,ある濃度以上でTRを介する転写を抑制する.また,PCB同族体の一部はシトクロムP450(CYP)1A1の存在下でのみ,TRを介する転写を促進する.CYP1A1はダイオキシンをリガンドとするアリル炭化水素受容体(aryl hydrocarbon receptor:AhR)の代表的標的遺伝子であり,AhRとTRのクロストークの存在を予想させる.現在,環境中には甲状腺系へ影響する可能性のある物質を含め,多くの化学物質が存在している.ほとんどの物質の環境中濃度は低く,摂取しても甲状腺系への影響は限られることが予想できる.しかし,脳をはじめとする臓器の形態形成に甲状腺ホルモンが重要な役割を果たす発達期において,過度の化学物質の摂取は控えるべきであろう.北米内分泌学会(ENDO)は2009年に内分泌かく乱化学物質に関するステートメントを『Endocrine Reviews』30:293-342に発表しており,また,本年このステートメントがCollaborative on Health andthe Environment(CME)のMost ImpactfulArticleに選ばれている.日本内分泌学会においても環境化学物質問題に関して,なんらかの見解を示す必要があるのではないだろうか.Disaster Medicine and Information Technology災害医療とIT監修髙久史麿編著田中博好評既刊2011.3.11東日本大震災あの時、医療はどう立ち向かったのか-戦後最大の惨事となった東日本大震災。ライフラインが寸断され、医療資源も枯渇する中、医師達はどう立ち向かったのか。豊富な事例をもとに、災害医療におけるITの可能性を検証。座談会・対談では、大規模災害という極限状況の中で、何が求められたのか、当事者だけが知り得る貴重なノウハウが多数収載されている。■第1章「医療とITー有事における可能性を探る―」■第2章「東日本大震災は医療に何をもたらしたのか」■第3章「災害医療におけるITの活用」■第4章「災害医療とメンタルケア」◆A4判212頁2色刷り◆定価2100円(本体2000円+税)ご注文・お問い合わせ株式会社ライフメディコム〒111-0054東京都台東区鳥越2-13-8HP:http://www.lifemedicom.co.jp/TEL:03-5809-1935/FAX:03-5820-1898E-mail:kikaku@lifemedicom.co.jp90Current Therapy 2013 Vol.31 No.190