カレントテラピー 30-9 サンプル

カレントテラピー 30-9 サンプル page 20/28

電子ブックを開く

このページは カレントテラピー 30-9 サンプル の電子ブックに掲載されている20ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
前立腺癌治療最前線PSA recurrence free rate of extended radicalprostatectomy with NHT for cT3-4 prostate cencer100pT0-2:90.4%(n=42)pT3a:88.9%(n=36)50pT4:36.8%(n=19)pT3b:30.0%(n=10)0....

前立腺癌治療最前線PSA recurrence free rate of extended radicalprostatectomy with NHT for cT3-4 prostate cencer100pT0-2:90.4%(n=42)pT3a:88.9%(n=36)50pT4:36.8%(n=19)pT3b:30.0%(n=10)02 4 68(year)図広汎前立腺全摘の治療成績〔参考文献17)より引用改変〕して尖部の処理に困難が伴う.順行性前立腺全摘術では逆行性全摘術と全く逆に頸部処理が困難を伴うのに対して尖部処理は容易であるという特徴がある.逆行性前立腺全摘術の手順は以下のごとくである.1)開腹2)骨盤内リンパ節郭清3)内骨盤筋膜の切開と恥骨前立腺靭帯の切断4)サントリーニ静脈叢(Santorini静脈叢)の処理5)尿道の離断6)神経温存を意図する場合には神経血管束の剥離7)前立腺とDenonviller’s筋膜の剥離と精嚢の摘出8)膀胱と前立腺の離断9)膀胱頸部の形成10)尿道と膀胱の再吻合11)閉腹前立腺全摘術には,勃起機能の温存を目指す神経温存術式と神経温存を行わない方法がある.神経温存術式は前立腺被膜を前立腺と剥離し,前立腺外側に存在するとされる勃起神経を含む索状物,つまり神経血管束(neurovascular bundle:NVB)を温存する術式である.初期のデータでは神経温存手術を施行した場合,術前に性機能のあった症例の40?65%が術後に膣挿入・性交が可能であり,性交可能な勃起が得られない症例は約60%と報告されていた8).しかし実際に機能が長期にわたり温存されたかという検討では術後2年以上経過すると,神経温存根治的前立腺全摘術と非温存術との間に勃起機能保持率に差がなくなることが報告されている9).Population-based longitudinal cohort studyでも,術後18カ月以上の経過観察で術前ポテンツのあった患者で,術後勃起不全(erectile dysfunction:ED)となった率は神経温存なし:65.6%,片側温存:58%,両側温存でも56.0%であった10).その後,勃起にかかわる神経は前立腺の側方のみではなく,前立腺被膜に広汎に分布しているとされ,神経線維を含む前立腺周囲の筋膜をより前方・正中から剥離する,いわゆる“Veil of Aphrodite technique”とよ11ばれる術式)が導入され,術後1年目に71%の症例が術後EDから回復したと報告している.このように神経温存に対する手技も変化してきている.次に治療成績であるが,これは適応する病態により大きく変わることは前述したとおりである.局所前立腺全摘術の適応においては近年リスク分類が使用される.NCCNのガイドライン(NCCN Guidelinesversion4.2011)1)によると,・Low risk:T1-T2aかつPSA<10ng/mLかつGleasonscore6以下・Intermediate risk:T2b -T2cまたはPSA 10~20ng/mLまたはGleasonscore7・High risk:T3aまたはPSA>20ng/mLまたはGleason score 8~10とされている.Current Therapy 2012 Vol.30 No.990941