カレントテラピー 30-9 サンプル

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臨床病期治療前PSA値(ng/mL)Gleason score低リスクT1c~T2a≦10≦6中リスクT2b10.1~207高リスクT2c以上>20≧8表1D’Amicoのリスク分類前立腺全摘術外照射小線源療法PSA監視療法内分泌療法低リスク○○○○△中リ....

臨床病期治療前PSA値(ng/mL)Gleason score低リスクT1c~T2a≦10≦6中リスクT2b10.1~207高リスクT2c以上>20≧8表1D’Amicoのリスク分類前立腺全摘術外照射小線源療法PSA監視療法内分泌療法低リスク○○○○△中リスク○○△(外照射併用)×△高リスク△○△(外照射+内分泌療法併用)×△表2D’Amicoのリスク分類における治療法の選択Ⅱ前立腺癌に対する治療選択治療法を決定するうえで病期の進行度が重要な鍵を握っていることはいうまでもない.治療選択肢としてはRP,EBRT,密封小線源療法,高線量率組織内照射,内分泌療法,PSA監視療法,focal therapyとしての高密度焦点式超音波療法(high -intensity focused ultrasound:HIFU)がある.Ⅲ限局性前立腺癌に対する根治性の観点から限局性前立腺癌を複数の因子を用いて分類するのがリスク分類であり,最も有名なのがD’Amicoのリスク分類である(表1).D’Amicoのリスク分類は予後と相関し,治療方法の適応基準として広く用いられている(表2).なお,限局性前立腺癌に対する治療法別のランダム化比較試験はないため,各報告にはselection biasがかかっていることを念頭におく必要がある.1低リスク群低リスク前立腺癌は治療選択肢のいかんにかかわらず予後良好な群であり,すべての治療選択肢が適応となる.そしてPSA時代においては,どの治療法を選択しても5年PSA非再発率は90%以上であり,5年癌特異的生存率は100%に近い3).内分泌療法は根治的な治療ではないため,期待余命が10年以下や合併症のため侵襲のある治療に耐えられない患者に限る.低リスク前立腺癌のなかにinsignificantcancerが混在する可能性は以前から指摘されており4),こうした問題に取り組むため,欧州8カ国と日本ではProstate Cancer Research International:Active Surveillance(PRIAS)試験が進行している.患者の適応基準を,1臨床病期T1cまたはT2でN0,M0,2Gleason score 3+3(=6)かそれ以下,3陽性コアの本数は1ないし2(ただし生検数は最低8本),4PSA density 0.2未満,5PSA 10ng/mL以下,とかなり厳しい基準で行っており,今後のエビデンスの蓄積が待たれる.本邦では,PSA監視療法の多施設共同研究において,118人の対象患者のうち16人が治療に移行,観察期間中にQOL障害はなかったと報告されている5).2中リスク群中リスク前立腺癌にRPを施行した場合,5年PSA非再発率は80%前後であり6),7),PSA時代における5年癌特異的生存率は,最新の報告では95%以上である3).PSA再発してからも,救済放射線療法や内分泌療法を施行すれば生命予後は比較的良好である.これまで,中リスク群に密封小線源療法は適応外とされてきたが,EBRTとの併用でその適応は広がりつつある.症例によっては外照射に強度変調放射線治療(intensity -modulated radiation therapy:IMRT)を選択して適応基準を広げている.三次元原体照射(3D-CRT)により74Gy以上,IMRTにより80Gy以上の照射が可能となり,中リスク前立腺癌に対するRPとEBRTの成績はほぼ同等となっている8).3高リスク群高リスク前立腺癌は低~中リスク前立腺癌と異なCurrent Therapy 2012 Vol.30 No.989527