カレントテラピー 30-8 サンプル page 9/28
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0.01A0.01Bωo0.001Fractional Clearance of Albumin0.00110-5 0.0001 0.001 0.01 0.1 1 10 100 1,000 10 4(mg/g)ACR図3糸球体係蹄壁のsize selectivityの変化糸球体係蹄壁における大分子量物質の透過性変化,siz....
0.01A0.01Bωo0.001Fractional Clearance of Albumin0.00110-5 0.0001 0.001 0.01 0.1 1 10 100 1,000 10 4(mg/g)ACR図3糸球体係蹄壁のsize selectivityの変化糸球体係蹄壁における大分子量物質の透過性変化,size selectivityの変化をshunt magnitude parameterωo値で評価した.微量アルブミン尿期(○)から顕性アルブミン尿期(▲)への移行(↓)は連続的なものではなく,一線を画したものであることが示されている.〔参考文献11)より引用一部改変〕共通リスク因子加齢,糖尿病,高血糖,高血圧,脂質異常症,肥満,喫煙共通基盤病態内皮(機能)障害微小炎症アルブミン尿連関心血管病発症のassociation予知因子(predictor)指標(indicator)心血管病図4アルブミン尿と心血管病の連関アルブミン尿と心血管病の基盤には共通したリスク因子が存在しており,内皮(機能)障害と微小炎症が共通メカニズムを形成している.〔著者作図〕いまだ十分に検討されていない共通リスク因子の存在も完全には否定できない.アルブミン尿とCVD(特にatherothrombotic disease)発症には,共通した基盤病態(commonpathogenetic mechanisms)が存在すると考えるのが妥当である(図4).なかでも有力視されているのが,内皮(機能)障害(endothelial dysfunction)と微小炎症(microinflammation)である.両者はすでにCVDの最早期の病態として認識されている.この仮説は以下の知見によって支持されている.1)アルブミン尿と内皮障害,微小炎症の指標が同時に出現,あるいは後者が先行するICAM,VCAM,von Willebrand因子,トロンボモジュリン,高感度CRP,TNF -α,一酸化窒素(nitric oxide:NO)代謝産物などの血・尿中バイオマーカー変化で示される.2)アルブミン尿期には内皮機能異常が認められるFMD,PWVなどで示される血管内皮機能異常,大動脈のstiffness亢進とアルブミン尿が連関する.3)腎動脈内皮機能異常(血管抵抗変化)とアルブミン尿が連関する糖尿病患者で腎動脈血管抵抗(resistanceindex:RI)を超音波を用いて測定したところ,腎機能障害,アルブミン尿との連関が認められた.腎動脈血管抵抗亢進がアルブミン尿出現の独立したリスク因子であることも示された12).2アルブミン尿出現のメカニズム1)濾過障壁(filtration barrier)としての糸球体内皮細胞層の役割臨床研究の結果は,内皮(機能)障害がアルブミン尿出現のメカニズムであることを示唆している.しかしながら,これまでアルブミンなどの大分子量物質の透過性制御に糸球体内皮細胞は大きな役割を12Current Therapy 2012 Vol.30 No.8740