カレントテラピー　30-8　サンプル page 19/28

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combination as an initial treatment strategy for6hypertension control（ACCELERATE）試験）ではSBP 150～180mmHgの高血圧患者にアリスキレン150mg＋アムロジピン5mgの併用療法群と各々の単独療法群に分け，16週....

combination as an initial treatment strategy for6hypertension control（ACCELERATE）試験）ではSBP 150～180mmHgの高血圧患者にアリスキレン150mg＋アムロジピン5mgの併用療法群と各々の単独療法群に分け，16週までに段階的に増量し，16週以降は3群ともアリスキレン300mg＋アムロジピン10mgの併用療法とし，24週まで観察した．その結果，8～24週でのベースラインからの平均SBP低下は6.5mmHg，24週時点では1.4mmHgと併用療法開始群が単剤療法開始群よりも有意に大きかった．この結果よりSBP150mmHgを超える高血圧患者ではアリスキレンとアムロジピンの併用療法から開始することが勧められると結論づけている．またItoらは日本人の腎機能障害（男性1.2≦Cr＜3.0mg/dL，女性1.3≦Cr＜3.0mg/dL）を合併した高血圧患者を対象にアリスキレンの効果と安全性を検討した7）．8週間でSBPは13.9mmHg，拡張期血圧（diastolic blood pressure：DBP）は11.6mmHg低下した．これはKushiroらによる腎機能正常の高血圧8患者を対象とした成績）と同等であり，アリスキレンは腎機能障害を合併した症例でも十分な降圧をきたすことが示された．他のRA系抑制薬と比べ，新たな副作用は認めなかったが，血清カリウム値に注意しながら，投与すべきと結論づけられている．さらにアリスキレンとRA系抑制薬併用の安全性を検9討したメタ解析）ではアリスキレン＋ACE阻害薬あるいはARB併用群の高カリウム血症の発症頻度はACE阻害薬またはARB単独投与群と比べ1.58倍高く，アリスキレン単独投与群と比べ1.67倍高いと報告され，アリスキレンとRA系抑制薬の併用でもやはり血清カリウム値に注意しながら投与すべきとしている．降圧効果，安全性については1降圧効果に人種差を認めないこと（ACE阻害薬，ARBと異なる），2副作用の頻度も欧米と日本で差がなく，また濃度依存性の副作用もないこと，3アリスキレンは最大降圧用量は300mg/日とされているが，その最大用量が日本でも使用できること（これもACE阻害薬，ARBと異なる重要なところである）とまとめられる．Ⅳ臓器保護効果アリスキレンの臓器保護作用に注目した試験には次のようなものがある．Aliskiren in the Evaluation of Proteinuria in10Diabetes（AVOID）試験）ではロサルタン100mg/日を投与されている高血圧合併2型糖尿病患者を対象にアリスキレン300mg/日を追加またはプラセボを追加投与したところ，血圧は両群で差を認めなかったが，ロサルタン単独投与群と比べ，尿中アルブミン/クレアチニン比を20％減少させたことを報告している．またアルブミン尿の50％減少は，アリスキレン投与群で24.7％と，ロサルタン単独投与群の12.5％よりも，有意に高かった．なお，高カリウム血症はアリスキレン投与群で高い傾向にあったが，有意差はなかった．この結果よりアリスキレンに降圧効果を超えた腎保護効果があることが示された．Aliskiren Trial in Type 2 Diabetes Using Cardio-Renal Endpoints（ALTITUDE）試験は，心血管疾患および腎疾患のリスクが高い2型糖尿病患者を対象として，従来のACE阻害薬，ARB治療にアリスキレンを追加することで，心臓と腎臓の合併症の発症をさらに抑制することが可能かどうかを確認するための日本人も参加している大規模臨床試験である．AVOID試験の結果から，イベント抑制も大変期待されたが，2011年12月に中間解析が公表され，アリスキレン追加によるベネフィットをもたらす可能性は低いと結論づけられ，さらに非致死性脳卒中，腎合併症，高カリウム血症，低血圧の発現率がプラセボ群に比べて高いことも報告された．この結果より，ALTITUDE試験は中止となり，ACE阻害薬あるいはARBを投与中の糖尿病患者にアリスキレンを追加投与することは禁忌となった．副作用が増えた理由については解析論文を待ち，正確な評価が必要であると思われる．Aliskiren observation of heart failure treatment11（ALOFT）試験）では高血圧をもつ安定心不全患者を対象にACE阻害薬またはARBを含む心不全標準治療にアリスキレン150mgを追加投与したところ，96Current Therapy 2012 Vol.30 No.8824