カレントテラピー　30-7　サンプル page 18/30

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実証中間証虚証葛根湯麻杏意甘湯桂枝加朮附湯小陥胸湯二朮湯五積散桂枝茯苓丸芍薬甘草湯当帰四逆加呉茱萸生姜湯桃核承気湯疎経活血湯八味地黄丸牛車腎気丸茯苓四逆湯表2末梢神経障害の頻用処方方薬が奏効することが....

実証中間証虚証葛根湯麻杏意甘湯桂枝加朮附湯小陥胸湯二朮湯五積散桂枝茯苓丸芍薬甘草湯当帰四逆加呉茱萸生姜湯桃核承気湯疎経活血湯八味地黄丸牛車腎気丸茯苓四逆湯表2末梢神経障害の頻用処方方薬が奏効することが多く，エビデンスも蓄積されゴシャジンキガンつつある．一般的には八味地黄丸や牛車腎気丸が有名だが，症例によって随証療法が必要である．頻用処方を表2に示す．1八味地黄丸地黄・山茱萸・山薬・茯苓・牡丹皮・桂皮・沢瀉・ハチミガン・附子からなる，腎虚の代表的方剤であり，八味丸腎気丸ともよばれる．加齢による諸症状の改善や症状進行抑制のため長期的に使用される．下半身の脱力感・痛み・しびれ，多尿・乏尿，手足の冷えやほてりなどが目標となり，胃腸障害のないものに用いられる．作用機序として，組織細胞膜のNa＋/K＋3-ATPase活性の改善作用）や，アルドースリダ4クターゼ活性抑制（ARI）作用）などが明らかにさボタンピれている．また牡丹皮の有効成分ペオニールには抗血栓作用，附子のアコニチンには鎮痛作用が認めらセイシンれる．この処方の適応で，胃腸虚弱なものは，清心レンシイン蓮子飲を処方する．2牛車腎気丸八味地黄丸に牛漆と車前子を加えた方剤で，八味丸の適応で，浮腫傾向があり，神経障害の症状がより強い場合が目標となる．糖尿病末梢神経障害では，適応となる症例が多い．554例の全国集計でも，しびれ67.3％，脱力感65.1％，下肢痛62.0％，冷感60.0％など自覚症状の高い有効率が報告され5），メ6コバラミンとのランダム化比較試験）でも，しびれに対する有効率は69.8％で，メコバラミンに比べて有効であった．作用機序として，脊髄内κオピオイ7ド受容体の刺激による中枢性鎮痛作用），NO産生8増加を介した末梢性鎮痛作用），末梢血流量増加や血小板凝集能抑制作用などが明らかにされており，ARI作用は八味地黄丸より強い．ケイシカジュツブトウ3桂枝加朮附湯冷え性で比較的体力の低下した人で，寒冷により増強する，手足の疼痛やしびれがある場合に用いる．ARI作用，末梢循環改善作用などがみられる．ソケイカッケツトウ4疎経活血湯冷え性で，特に腰部より下の筋肉，関節や神経に疼痛がある場合に用い，朝起床時に疼痛が激しい場合に適応となる症例が多い．ARI作用がみられる．シャクヤクカンゾウトウ5芍薬甘草湯こむらかえりに対して，証に関係なく有用である9）キョジョウトウ．頓服として用いる．「去杖湯」ともいわれ，腰痛や坐骨神経痛にも用いられる．冷えが強い場合は，附子を加味するとよい．芍薬のペオニフロリンと甘草のグリチルリチンの組み合わせが筋肉痛や痙攣に有効とされている．ケイシブクリョウガン6桂枝茯苓丸桃仁，牡丹皮，桂枝，芍薬，茯苓からなる，代表的な駆?血剤である．糖尿病では神経障害にかかわらず，微小循環障害である?血の関与がみられるため，色素沈着，細絡，月経異常や痔疾，舌の色調や腹診の?血点などによって投与する．?自律神経障害について起立性低血圧や消化器症状など，西洋医学的対応に苦慮する場合が少なくないが，漢方治療が症例によっては奏効することがある．?起立性低血圧リョウケイジュツカントウ1苓桂朮甘湯比較的体力の低下した人で，立ちくらみ，心悸亢進，息切れなどを訴える場合に用いる．ハンゲビャクジュツテンマトウ2半夏白朮天麻湯胃腸虚弱で，冷え症で疲れやすく，頭痛，めまいがみられる場合に用いる．110 Current Therapy 2012 Vol.30 No.7700