カレントテラピー 30-7 サンプル

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SU薬グリニド薬一般名商品名血中半減期(時間)作用時間(時間)1錠の含有量(mg)トルブタミドラスチノンR 5.9 6~12 500グリベンクラミド常用量(最高投与量)(mg/日)250~1,500(2,000)オイグルコンR 1.25~7.....

SU薬グリニド薬一般名商品名血中半減期(時間)作用時間(時間)1錠の含有量(mg)トルブタミドラスチノンR 5.9 6~12 500グリベンクラミド常用量(最高投与量)(mg/日)250~1,500(2,000)オイグルコンR 1.25~7.52.7 12~24 1.25,2.5ダオニールR(10)4020~120グリミクロンR HA20(160)グリクラジドグリミクロンR 12.3 12~24グリメピリドアマリールR 1.5 12~24 0.5,1,3 0.5~4(6)ナテグリニドスターシスR 90~2700.8 3 30,90ファスティックR(360)ミチグリニドグルファストR 1.2 3 5,10 15~30(60)レパグリニドシュアポストR 0.75~1.1 4 0.25,0.50.75~1.5(3)表1SU薬およびグリニド薬の種類〔参考文献22)より引用一部改変〕ない血糖降下作用が報告されている.1グリニド薬は,細胞内小胞体からのCa 2+放出により細胞内Ca 2+濃度を増加させ,インスリン分泌を促進する12).2ナテグリニドはdipeptidyl peptidase-4(DPP-4)阻害作用をもつ13).3ナテグリニドはin vitroの検討で,インスリン感受性に関与するPPAR -γ刺激作用を有する.さらに,膵臓移植時に採取した培養ヒトβ細胞にグリベンクラミド,ナテグリニド,レパグリニドを4時間曝露すると,ナテグリニドとレパグリニドではアポトーシスの増加は認められなかった,という報告もある14).以上のエビデンスから,グリニド薬は膵β細胞に保護的に作用する可能性が示唆されている.2グリニド薬の適応および使用法とその特徴グリニド薬はその作用時間が短いことから,単剤で治療を行う場合は,内因性インスリン分泌が保たれ,空腹時血糖は正常あるいは軽度の上昇(120~140mg/dL)にとどまっているが,食後高血糖を呈する患者には適応となる.空腹時血糖が上昇しているような患者には,SU薬を含め,ほかの経口薬を用いるべきである.グリニド薬はアミノ酸誘導体で食後投与では吸収が著しく低下する.また,吸収が早く食前30分の投与では低血糖の危険性が増すため,毎食直前(10分以内)に投与する.グリニド薬の健常人への単回投与の成績では,血糖降下作用は服用後30分以内に現れ,約60分で最大となり,4時間後にはほぼ消失する.ナテグリニドの代謝物は尿中と胆汁中に,ミチグリニドの場合は主に尿中に,レパグリニドの場合は主に胆汁中に排泄される.いずれの薬物も肝機能障害や腎機能障害では慎重投与となっているが,特にナテグリニドは透析患者では禁忌となっている.ラットにおいてナテグリニドは,食後の血中トリグリセリド(triglyceride:TG)上昇や肝内トリグリセリド蓄積を有意に抑制したという報告がある.この作用は,門脈内でほぼ同じインスリン分泌動態を示すミチグリニドでは認められていない15).Ⅲ使用上の注意点急激な血糖降下によって低血糖や合併症の悪化を誘発しないよう注意する.コントロールが不十分な場合には基本的な治療の再確認,再教育が必要である.十分な効果が得られない場合,病態を検討し,それに応じて単剤での使用に加え,インスリン分泌刺激薬以外の経口糖尿病薬との併用も行う.SU薬の効果がなくなる場合(2次無効)には,膵β細胞の疲弊,あるいは自然経過による膵β細胞機能の低下・β細胞量の減少が関与する.SU薬は作用が持続し,インスリン分泌が不必要な食間においてもβ細胞を刺激し,さらに疲弊させると考えられている.2次無効のSU薬以外の原因としては,糖毒性がある.高血糖下の膵β細胞機能障害には,酸化36Current Therapy 2012 Vol.30 No.7626