カレントテラピー 30-4サンプル page 23/28
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概要:
アルツハイマー病―先制医療に向けての展開アルツハイマー病の早期・探索的臨床試験拠点東京大学医学部附属病院臨床研究支援センター准教授荒川義弘厚生労働省の早期・探索的臨床試験拠点整備事業が2011年に開始とな....
アルツハイマー病―先制医療に向けての展開アルツハイマー病の早期・探索的臨床試験拠点東京大学医学部附属病院臨床研究支援センター准教授荒川義弘厚生労働省の早期・探索的臨床試験拠点整備事業が2011年に開始となり,東京大学医学部附属病院(東大病院)が2011年度における5つの拠点のひとつとして選定された.今後5年間で認知症と神経難病・精神疾患の医薬品の臨床開発拠点として整備を進めることになった(申請者:病院長;総括研究代表者:岩坪威).本整備事業には,厚生労働科学研究費による研究事業も抱き合わせとなっており,出口戦略を見据えた体制整備を強力に進めていくことが求められる.本整備事業は,政府の医療イノベーション政策の一環と位置づけられており,事業概要は以下となっている.日本発の革新的な医薬品・医療機器の創出を目的に,世界に先駆けてヒトに初めて新規薬物・機器を投与・使用する臨床試験の拠点として,「早期・探索的臨床試験拠点」を整備する事業.選定された施設は,質の高い早期・探索的臨床試験を実施するために必要となる,以下の基盤構築を行う.・治験・臨床研究に精通する医師,臨床研究コーディネーターなど人員の確保・医療機器など設備の整備・非臨床試験の実施など東大病院では,認知症の根本治療薬開発を中心に,精神・神経領域のシーズ探索から,臨床第Ⅰ相の試験(忍容性確認や薬物動態解析を主目的とする臨床薬理試験)およびproof-of-concept試験(POC試験,バイオマーカーなどヒトでの有効性を示唆する事象を探索的に確認する最初の試験)までの実施体制を早急に整備し,関連部署との連携体制を構築しているところである.特にアルツハイマー病では,疾患のより早期から治療を開始することが重要と考えられている.そのため,東大病院ではJ -ADNI(次頁キーワード参照)で培った画像やバイオマーカー,臨床評価などの技術をより早期から投入することで効率的で情報量の多い臨床開発ができる体制の構築を指向している.POC試験後は,企業と多くの実施施設の協力を得て,認知機能を評価する検証的試験へと進め,承認申請に結びつけられることを願っている.Current Therapy 2012 Vol.30 No.435773