カレントテラピー 30-4サンプル page 19/28
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治療薬解説軽度認知症中等度認知症高度認知症ドネぺジル5mg/日ドネぺジル5mg/日ドネぺジル10mg/日ガランタミン16mg/日ガランタミン16mg/日24mg/日24mg/日リバスチグミン18mg/日リバスチグミン18mg/日メマンチン20mg/....
治療薬解説軽度認知症中等度認知症高度認知症ドネぺジル5mg/日ドネぺジル5mg/日ドネぺジル10mg/日ガランタミン16mg/日ガランタミン16mg/日24mg/日24mg/日リバスチグミン18mg/日リバスチグミン18mg/日メマンチン20mg/日メマンチン20mg/日併用併用ドネぺジル+メマンチンドネぺジル+メマンチンガランタミン+メマンチンリバスチグミン+メマンチン表2AD治療薬の使用法記憶服装日課料理外出買物軽度認知症中等度認知症高度認知症通帳などのしまい忘れ,置き忘れがある自分で選べるが,同じ服装をしていることが多い日課は今まで通りこなすが,複雑な料理が困難になったり,味付けが変わったりする買物リストがあれば本人だけでの買物でも支障がない(実際には,買物リストを持って行くのを忘れることも多い)最近の大きな出来事(冠婚葬祭など)を忘れる季節や状況に合った服装をしない,指摘しても同じ服装をする日課でしなくなることが増える簡単な料理でも間違う外出したがらない日常品の買物でも間違う,同じ物を何度も買う昔の印象深い出来事を忘れる介護者が服を選ぶ必要あり(手伝わなければ前後が逆になったり,パジャマの上にズボンをはいたりする)ボタンのある服を着るのが困難家事をほとんどしない(料理ができないほど)自分からは外出しない買物に出かけない服薬服薬を忘れることが度々ある言わないと服薬を忘れる介護者が管理しなければならない気分時々,不安や気分の落ち込みがみられるイライラすることが増え,笑顔が減る表情は以前に比べ乏しくなる表3ADの認知症ステージを判断し,その進行スピードも勘案して治療薬の増量や併用開始を考えることになる.Alzheimer’s Disease Management Council(ADMC)によって作成された「軽度?中等度アルツハイマー型認知症に対する治療アルゴリズム」8)では,初回に選択されたAChE阻害薬の有効性や忍容性に問題がある場合には,メマンチンの併用の前にAChE阻害薬間の切り替えが推奨されている.このコンセンサスでは,メマンチンは中等度?高度のADでは第一選択薬のひとつとなっているが,軽度?中等度では他のガイドラインと同様に第一選択薬とはなっていない.これは,軽度?中等度においてわずかな効果しか認められていないためである.また,AChE阻害薬間の切り替えは,ひとつの薬剤に有効性や忍容性を示さなかった場合でも,他の薬剤では示す可能性があることから推奨されている(図).国内では副作用防止の見地からAChE阻害薬同士を併用しないことと,使用上の注意の改訂がなされた.作用機序が異なるメマンチンであれば,どのAChE阻害薬も併用できる状況にある.AChE阻害薬は,上記のように基本的な作用機序は共通であっても化学構造がそれぞれ異なり,また,薬物の作用機序や副作用プロファイルはそれぞれ異なる.そのため,あるAChE阻害薬で効果や忍容性に問題がある場合は他のAChE阻害薬への変更により効果や忍容性が改善する可能性がある.本邦でもガランタミンやリバスチグミンが使用できるようになったのでドネぺジルの副作用や忍容性で中止となっていた症例には,まずはこれらAChE阻害薬の新薬を使用する.さらに,これらの薬剤の変更にあたっては有効性と副作用発現抑制の観点から,代謝酵素,投与方法なども考慮して切り替えのタイミンCurrent Therapy 2012 Vol.30 No.435369