カレントテラピー 30-2 サンプル page 7/26
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人事・労務部門など80時間以上の超過勤務をしている社員のリストアップと「面談への連絡」産業医(医師)による面談1.疲労やうつをチェックリストで検査2.面談3.判断医療機関への紹介超過勤務時間を減らすように....
人事・労務部門など80時間以上の超過勤務をしている社員のリストアップと「面談への連絡」産業医(医師)による面談1.疲労やうつをチェックリストで検査2.面談3.判断医療機関への紹介超過勤務時間を減らすように助言必要性が強ければ配置転換経過を観察必要に応じて事業場者・人事部門長の意見聴取事後措置をする療養休務,就業のまま超過勤務を減らす必要に応じて配置転換勤務時間の短縮図3産業医面談の流れとフォローアップで有意に高得点であった.また,各年代においても同様の結果であった.Ⅳ会社が行う対策―医師面談の実際企業は安全配慮義務を遂行するために,1過重労働対策,2メンタルヘルスの推進をしなければならない.メンタルへルス対応では,社員へのストレス教育や管理職による部下への対応であるラインケア,相談・診療などが重要である.ここでは過重労働対策について,事例を挙げ説明する.42歳の大山さん(仮称,以下同)はメーカーに勤務する技術系の課長である.6月に人事部から「あなたの超過勤務時間が2?4月までの3カ月間,80時間を超えていますよ.疲れませんか?規定により産業医面談を受けられます.内科の先生です.疲労や睡眠などについての相談時間をかなり取っています.受けてくださいね」というメッセージを受けた.大山さんは「そうか,産業医による面談ができるのか,疲れがひどいし….面談が就業時間内にできるのであれば都合がよい」と考え,健康相談室に電話をかけた.看護師が「水曜日が面談日ですから,きてくださいね,気楽に相談に応じてくれますよ.待っていますよ」といわれたので面談に行った.図3に面談の流れとフォローアップを示した.面談をした青木産業医は大山さんに「最近,疲れはありませんか?疲労が持続していませんか」と尋ねた.そこで彼は「1カ月前から疲労が残るようになった.会社に行くのに,朝が起床しにくい」と答えた.そこで産業医は「簡単な検査をしましょう」といい,抑うつ程度を調べる検査票などを渡し,記入させた.産業医は,その結果をみて「気分の落ち込みの程度が強いようですね.落ち込んだ気分は,朝と夕方ではどちらが強いでしょうか」と聞いた.大山さんは「朝の憂うつが強い.それが3週間前からある」と答えた.また,青木産業医は睡眠や食欲などについても,問いかけた.その結果,中途覚醒と早朝覚醒が続いていること,食欲が落ちていることがわかった.また,以前に比べ仕事の能率が落ちていることも判明した.産業医は「うつ病の可能性がありますので,私が知っている,話しやすい精神科の先生を紹介します.今まで3名の社員を紹介し,全員が復職しています.行ってくださいね」と勧めた.大山さんは「うつ病?こころの病気ですか?体のほうを調べてください」といった.そこで産業医は血液検査などをした.彼は産業医の紹介状を持って精神科クリニックを10Current Therapy 2012 Vol.30 No.298