カレントテラピー 30-2 サンプル page 5/26
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ストレスと疾患ストレスと精神疾患*夏目誠ストレスと精神疾患との関係を知るためにライフイベント(生活の出来事,Holmesが考案し社会的再適応評価尺度といわれている)法を用い検討した.ストレッサーに対して個人....
ストレスと疾患ストレスと精神疾患*夏目誠ストレスと精神疾患との関係を知るためにライフイベント(生活の出来事,Holmesが考案し社会的再適応評価尺度といわれている)法を用い検討した.ストレッサーに対して個人が感じるストレスの程度を結婚=50点とし,これを基準に0?100点の間で自己評点化させ,各項目の平均値を求めライフイベント(ストレス)得点(life change unit score)とした.次にストレスドック受検者1,426人(男性845人,女性581人)を対象に,受検前の1年間における体験ストレッサーのストレス点数の合計点数を求め,精神障害との関係を検討した.健常群(538人)の218点に対して精神障害群(888人)のそれは312点であり0.1%の有意差で高得点であった.また,各年代においても同様の結果でありストレスが精神障害発症の要因であることを裏づけた.最後にストレス対応として会社が行う過重労働対策の実際について,事例を挙げて説明をした.個人が行うストレス・コントロールについても触れた.Ⅰはじめに本稿では,ストレスと精神疾患との関係についてわれわれが行った研究を中心に説明する.次にストレス対応として,1会社が行うもの,2個人のストレス・コントロールについて解説する.「ライフイベント法(後述)」と,「日常のいらだち事尺度」に大別される.ストレス反応からの測定には「精神健康調査(GHQ)」や「うつ性自己評価尺度(SDS)」などの質問紙法による心理検査が用いられる.上記の2要因と緩衝要因を含んだ検査法には「職業性ストレス簡易調査票」がある.本稿ではライフイベント法を中心に検討を加える.Ⅱストレスの構成要因ストレスを知るためには,米国立労働安全衛生研究所(NIOSH)職業性ストレスモデルが有用である.それによれば構成要因(図1)1)は作用因子であるストレッサーとストレス反応,個人要因,緩衝要因に大別される.ストレッサーからのストレス度測定は,Ⅲストレス度と精神疾患―ライフイベント法を用いてライフイベント(生活の出来事)法とは,Holmesら2)が開発したものである.43項目のストレッサーに対して,個人が感じるストレスの程度を,結婚=50点とし,これを基準に0?100点の間で各々のストレッサーの強度を自己評点化させた.次に対象者の*大阪樟蔭女子大学大学院人間科学研究科臨床心理学専攻教授8Current Therapy 2012 Vol.30 No.296