カレントテラピー 30-2 サンプル

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概要:
治療薬解説切り替えを考慮する.症状消失後すぐに薬剤を中止すると再燃が多いので,少なくても寛解後も同用量を最低6カ月継続し,2?3カ月かけて漸減中止する.Ⅴおわりに本稿では抗うつ薬の特徴を示し,うつ病におけ....

治療薬解説切り替えを考慮する.症状消失後すぐに薬剤を中止すると再燃が多いので,少なくても寛解後も同用量を最低6カ月継続し,2?3カ月かけて漸減中止する.Ⅴおわりに本稿では抗うつ薬の特徴を示し,うつ病における選択方法,適正使用について説明した.抗うつ薬の選択では画一的な方法はなく,患者の症状に合わせて最適な薬剤を選ぶ必要がある.そのためには,患者の病態の正確な把握と,各薬剤のプロフィールへの精通が必要となる.また適正に使用することで抗うつ薬の効果が期待できるとともに,副作用を避けられる.最後に,精神科の治療において薬物療法以外に,精神療法や環境調整なども重要であることを確認しておく.ストレスに起因するうつ状態には,環境調整や問題解決療法などの精神療法が中心となり,薬物は補助的に抗不安薬や睡眠薬などを使用することが望ましい.薬物療法,精神療法,環境調整とバランスの取れた治療法が求められる.参考文献1)三國雅彦:ストレスがどうしてうつ病を起こすのか-うつ病の発症脆弱性と病態生理-2005年,第8回若手研究者のための生命科学セミナー(http://www.banyu -zaidan.or.jp/symp/about/info/pdf/2 -5_053_056.pdf#search)2)Uchiyama M, Tanaka K, Isse K, et al:Efficacy of mianserinon symptoms of delirium in the aged:an open trial study.Prog Neuropsychopharmachol Biol Psychiatry 20:651 -656,19963)山口聡,山本裕:クリニックにおける新規抗うつ薬の課題と,現在の外来精神医療の問題点について-新規抗うつ薬は第一選択薬になりえない-.臨薬理11:1861 -1870,20084)Anderson IM:Selective serotonin reuptake inhibitors versustricyclic antidepressants:a meta-analysis of efficacy and tolerability.J Affect Disord 58:19-36, 20005)渡邊衡一郎,菊地俊暁:抗うつ薬服用者を対象としたウェブ調査2008の結果に見る患者の気持ち.臨精薬理12:2295 -2304, 20086)Black K, Shea C, Dursun S, et al:Selective serotonin reuptakeinhibitor discontinuation syndrome:proposed diagnosticcriteria. J Psychiatry Neurosci 25:255-261, 20007)渡邊衡一郎:今日の治療薬2011.南江堂,東京,pp812 -825,20118)FDA Issues Public Health Advisory on Worsening Depressionand Suicidality in Patients Being Treated With Antidepressants.FDA Talk Paper. March 22. 20049)日本うつ病学会:抗うつ薬の適正使用に関する委員会(http://www.secretariat.ne.jp/jsmd/koutsu/index.html)10)Fiedorowicz JG, Endicott J, Leon AC, et al:Subthresholdhypomanic symptoms in progression from unipolar majordepression to bipolar disorder. Am J Psychiatry 168:40-48,201111)米国精神医学会(高橋三郎,大野裕,染矢俊幸訳)「DSM-Ⅳ-TR精神疾患の分類と診断の手引(改訂第四版)」医学書院,東京,200412)冨田真幸,渡邊衡一郎:軽症うつ病と抗うつ薬.こころの科学158:52-56,201113)Gelenberg AJ, Freeman MP, Markowitz JC, et al:Practiceguideline for the treatment of patients with major depressivedisorder. 3 rd ed. American Psychiatric Association, 2010(http://www.psychiatryonline.com/pracGuide/pracGuide-Topic_7.aspx)14)菊地俊暁,渡邊衡一郎:気分障害(大うつ病性障害,双極性障害)の治療について.医薬ジャーナル44:87-95,2008Current Therapy 2012 Vol.30 No.216173