カレントテラピー 30-12 サンプル

カレントテラピー 30-12 サンプル page 6/30

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はヒドララジン,そしてStep 4ではグアネチジンとされている1).1980年にJNC第2次報告が発出され,段階的治療が踏襲されているが,各段階の薬物に変更が加えられた.Step 1では利尿薬,Step 2ではアドレナリン抑制....

はヒドララジン,そしてStep 4ではグアネチジンとされている1).1980年にJNC第2次報告が発出され,段階的治療が踏襲されているが,各段階の薬物に変更が加えられた.Step 1では利尿薬,Step 2ではアドレナリン抑制薬(クロニジン,メチルドパ,メトプロロール,ナドロール,プラゾシン,プロプラノロール,ローウォルフィアアルカロイド),Step 3では血管拡張薬(ヒドララジン),Step 4では他のアドレナリン抑制薬(グアネチジン)とされた2).引き続く1984年の報告においても段階的治療が踏襲され,1980年の報告が若干修正された.Step 1では,最高用量より少ないサイアザイド系利尿薬またはβ遮断薬を,必要であれば最高用量まで増量が可能となり,Step 2では,アドレナリン抑制薬または利尿薬を少量追加する.Step 3では血管拡張薬であるヒドララジンまたはミノキシジルを追加,Step 4ではグアネチジンを追加となっている3).1988年では,個別の段階的治療(individualizedstepped-care therapy)が勧められ,非薬物療法後の最初のステップとしては,利尿薬,β遮断薬,カルシウム(Ca)拮抗薬,アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬の4種類が挙げられた4).1992年の報告である第5次報告(JNC V)では,非薬物療法後の初回薬物療法として,心血管系疾患の予防と死亡率の低下が証明されている利尿薬とβ遮断薬の2種類が望ましいとされた.Ca拮抗薬,ACE阻害薬,α1遮断薬,α・β遮断薬によっても同等の降圧効果が得られるが,心血管系疾患の予防や死亡率改善が検証されていないことを指摘している5).ここまでは配合剤について触れられていなかった.1997年の第6次報告(JNCⅥ)においては,ライフスタイルの修正により降圧目標を達成できない場合,合併症を伴わない高血圧では利尿薬,β遮断薬,特定の適応症ではACE阻害薬,ARB,α遮断薬,α・β遮断薬,β遮断薬,Ca拮抗薬,利尿薬が挙げられている6).また,2種類の薬剤を低用量で併用すると相加的降圧効果が得られ,用量依存性の副作用が発現する可能性を最小限に抑えることができるとして,降圧薬配合剤の一覧表がJNC報告として初めて記載された.この表には,β遮断薬と利尿薬,ACE阻害薬と利尿薬,ARBと利尿薬,Ca拮抗薬とACE阻害薬,その他,が記載されている.その他の項に記載されているのは,いずれも利尿薬との配合剤である.初回薬物療法として,利尿薬を第一薬として用いていない場合には,第二薬として利尿薬を追加すると,他薬の効果を高めて有用である旨が記載されている.2003年に報告された第7次報告(JNCⅦ)においても,配合剤の一覧表が掲載されている.ここでは,ACE阻害薬とCa拮抗薬,ACE阻害薬と利尿薬,ARBと利尿薬,β遮断薬と利尿薬,交感神経抑制薬と利尿薬,および利尿薬と利尿薬に分類されている7).一方,わが国においては日本高血圧学会による『高血圧治療ガイドライン』の2000年および2004年版には配合剤の記載はなく,2006年にARBとヒドロクロロチアジドの配合剤が発売されたことにより,2009年版から配合剤が記載されるようになった8).ここでは主に配合剤による服薬のアドヒアランス改善の立場からの記載がなされている.Ⅲわが国における配合剤の歴史と規制わが国における降圧薬の配合剤の歴史は古く,半世紀前に遡る.セルパシル・アプレゾリンR(レセルピン0.1mg,ヒドララジン10mg)は1956年6月に,強力セルパシル・アプレゾリンR(レセルピン0.1mg,ヒドララジン25mg)は1958年12月に発売された.これらはいずれも2001年10月に販売中止となった.1錠中にレセルピン0.1mg,ヒドララジン10mg,ヒドロクロロチアジド10mgを含有するエシドライRは1960年10月に発売され,2008年3月に発売中止となった.なお,1961年8月に発売されたベハイドR配合錠(ベンチルヒドロクロロチアジド4mg,レセルピン0.1mg,カルバゾクロム5mg含有)は現在も発売されている.これらの配合剤の発売開始はいずれも1967年(昭和42年)9月に厚生省薬務局長通知「医薬品の製造Current Therapy 2012 Vol.30 No.1212259