カレントテラピー 30-12 サンプル page 12/30
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配合剤の根拠となるエビデンス基礎的な知見と臨床試験研究Dezii 2000Dezii 2000Jackson et al. 2006Taylor et al. 2003Gerbino et al. 2004Dickson et al. 2008Overall(l-squared=49.2%,p=0.080)OR(95%Cl)1....
配合剤の根拠となるエビデンス基礎的な知見と臨床試験研究Dezii 2000Dezii 2000Jackson et al. 2006Taylor et al. 2003Gerbino et al. 2004Dickson et al. 2008Overall(l-squared=49.2%,p=0.080)OR(95%Cl)1.19(0.83,1.71)1.22(0.85,1.75)2.84(1.67,4.83)1.09(0.80,1.51)1.28(0.93,1.75)1.29(0.89,1.89)1.29(1.11,1.50).5併用が優位1 1.5 2合剤が優位図62剤併用より合剤のほうがアドヒアランスは良好〔参考文献6)より引用改変〕剤で差を認めなかった.さらにMazzagliaらは新規の高血圧患者18,806人を対象に,服薬アドヒアランスと血管イベントの発症について検討し,アドヒアランス良好群(内服ができた日の割合≧80%)では,アドヒアランス不良群(内服ができた日の割合≦40%)と比較して,心血管イベントの発症が有意に低く〔ハザード比0.62(0.40~0.96),p=0.032〕,アドヒアランスが良好であることが,心血管イベントの抑制につながることを証明した7).その他の合剤の利点として,個々の薬剤を別個で購入するより費用が安く,医療経済的にも有効であるとともに,患者負担の軽減につながる.このこともアドヒアランス改善のひとつの要素である.Ⅳ配合剤を使用した主な大規模臨床試験現在わが国でも降圧薬の合剤が多数発売されているが,その薬剤の組み合わせはレニン・アンジオテンシン(RA)系阻害薬(ARB)と利尿薬,およびARBとCa拮抗薬である.どちらの組み合わせの合剤においても,以下のような有効性が報告されている.8)1 ADVANCE研究ADVANCE研究では11,000人以上の2型糖尿病患者を対象に,利尿薬であるインダパミドおよびアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬のペリンドプリルの合剤群とプラセボ群に分けて4年間以上の観察を行い比較したところ,合剤群で糖尿病に伴う大血管および細小血管合併症を9%予防した.利尿薬による代謝系への影響が危惧されたが,HbA1c,空腹時血糖,総コレステロール,HDLコレステロール値ではプラセボ群と差を認めず,ACE阻害薬との併用による代謝面での相補的効果により糖・脂質代謝への悪影響がみられなかったものと思われる.9)2 ACCOMPLISH試験ACCOMPLISH試験では11,000人以上のハイリスク高血圧患者を対象に,ACE阻害薬であるベナゼプリルとCa拮抗薬であるアムロジピンの合剤群,もしくはベナゼプリルと利尿薬であるヒドロクロロチアジドの合剤群に割り付けて比較を行った.その結果,両群ともに重篤な有害事象は認められなかったが,心血管病の発症がACE阻害薬+Ca拮抗薬群において20%少なく,特にその差は冠動脈疾患の発症で認められた.この試験ひとつで結論づけるのは尚早かもしれないが,冠動脈疾患発症の高リスク患者ではRA系阻害薬の併用薬として利尿薬よりもCa拮抗薬が優れると考えられる.Current Therapy 2012 Vol.30 No.12124529