カレントテラピー 30-11 サンプル page 25/36
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治療薬解説ダビガトラン(dabigatran)リバーロキサバン(ribaroxaban)商品名プラザキサイグザレルト剤型カプセル75mgと110mg錠剤15mgと10mg用法・用量1回150mgを1日2回1回110mgを1日2回1回15mgを1日1回1回10mgを1....
治療薬解説ダビガトラン(dabigatran)リバーロキサバン(ribaroxaban)商品名プラザキサイグザレルト剤型カプセル75mgと110mg錠剤15mgと10mg用法・用量1回150mgを1日2回1回110mgを1日2回1回15mgを1日1回1回10mgを1日1回禁忌用量の使い分け高度腎機能障害(CCr<30mL/min)頭蓋内出血発症後6カ月以内イトラコナゾール併用通常は1回150mgを1日2回以下のいずれかに該当する場合は1回110mgを1日2回の用量を考慮する.1中等度腎障害(30mL/min≦CCr<50mL/min)2P糖タンパク阻害薬(ベラパミル,アミオダロンなど)併用370歳以上の高齢4消化管出血の既往モニタリング薬物血中濃度にピークとトラフを有し,モニタリングは困難.血中濃度はAPTTと相関する.トラフでAPTTが80秒を超えると大出血が多いとの報告あり.特有の注意点導入時の測定項目維持期の測定項目高度腎機能障害(CCr<15mL/min)中等度以上の肝障害(Child -Pugh分類のBとC相当)HIVプロテアーゼ阻害薬(リトナビルなど)とアゾール系抗真菌薬(イトラコナゾールなど)併用通常は15mgを1日1回以下の場合は10mg1日1回の用量を考慮する.1CCrが30~49mL/min2CCrが15~29mL/min(慎重投与)3出血関連因子が重複する場合:高齢(75歳以上)+低体重(50kg未満)薬物血中濃度にピークとトラフを有し,モニタリングは困難.血中濃度はプロトロンビン時間と相関する.ディスペプシアや消化管出血に注意.鼻出血と歯肉出血に注意.ヘモグロビン値,APTT,CCrを投与開始前は必ず測定し,投与後2週間と4週間も測定が望ましい.ヘモグロビン値,APTT,CCrを2~3カ月に1度チェックする.ヘモグロビン値,プロトロンビン時間,CCr,ビリルビン,アルブミンを投与開始前は必ず測定する.ヘモグロビン値,プロトロンビン時間,CCrは投与後2週間と4週間も測定が望ましい.ヘモグロビン値,プロトロンビン時間,CCrを2~3カ月に1度チェックする.表2現在処方できる新規経口抗凝固薬の特徴と投与時の注意点生抑制によって抗凝固作用を発揮する.ワルファリンの治療効果は長期的な使用実績により証明されているが,投薬管理のうえでさまざまな問題がある.ワルファリンによる抗凝固療法には,1治療域が狭い,2定期的なモニタリングが必須,3抗凝固作用の発現に個人差がある,4食物や薬物との相互作用,5作用発現が遅いため,ヘパリンとの併用によるブリッジングが必要で周術期管理も面倒,といった問題点が知られている.新規経口抗凝固薬として開発された抗トロンビン薬と抗Xa薬は,それぞれ直接的にトロンビンかXaを阻害する.これまでに,抗トロンビン薬のダビガトラン(ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩)と抗Xa薬のリバーロキサバンが処方可能になった.抗Xa薬はさらに,2012年秋にはアピキサバン,2013年にはエドキサバン(エドキサバントシル酸塩水和物)が使用できるようになる見込みである.現在処方できる新規経口抗凝固薬の特徴と投与時の注意点を,表2に示す.2新規経口抗凝固薬の優れた特性新規経口抗凝固薬の特性を表3に示す.まず,モニタリングはワルファリンでは必須であるが,新規経口抗凝固薬では不要である.新規経口抗凝固薬は食事の影響を受けないため,納豆をはじめとするビタミンK含有食品も含めて食事の制限がない.新規経口抗凝固薬は薬物の影響を受けにくい.また新規経口抗凝固薬は吸収時間が短く,投与後早期から安定した効果が得られる.半減期が短いため,周術期管理がワルファリンよりも容易である.さらに,新規経口抗凝固薬の脳梗塞予防効果はワCurrent Therapy 2012 Vol.30 No.11118787