カレントテラピー 30-11 サンプル page 17/36
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病院病院骨髓細胞の採取(局所麻酔)静脈内投与細胞培養センター骨髓幹細胞分離大量培養品質検査照合解凍増殖培養約2週間凍結保存図骨髄幹細胞を用いた脳梗塞治療〔参考文献4)より引用改変〕Ⅱ臨床研究1概要脳梗塞....
病院病院骨髓細胞の採取(局所麻酔)静脈内投与細胞培養センター骨髓幹細胞分離大量培養品質検査照合解凍増殖培養約2週間凍結保存図骨髄幹細胞を用いた脳梗塞治療〔参考文献4)より引用改変〕Ⅱ臨床研究1概要脳梗塞患者12例を対象に,それぞれの患者より採取した自己血清によって自己のMSCを培養し,静脈内投与を行った16).症例は,一般的な脳梗塞急性期治療が終了した後の亜急性期にエントリーした.脳梗塞の原因としては,米国のNational Institute ofNeurological Disorders and Stroke(NINDS)Ⅲの分類のいずれでも構わないとしたが,小脳梗塞,脳幹梗塞などの天幕下梗塞は,他の脳梗塞急性期臨床研究に準じて除外している.また,軽症例や極端な重症例も除外した〔具体的にはmodified Rankin Scale(mRS)が3~5,かつJapan Coma Scale(JCS)が0~100の患者を対象とした〕.全症例「評価委員会」で検討・承認を受けた後に,血液内科専門医によって局所麻酔下に腸骨から骨髄液を数十mL採取し,専用の細胞培養施設内(Cell Processing Center:CPC)において,2~3週間で目標の細胞数(約1×10 8個)まで培養を行った.培養終了後,いったん凍結し,安全性と品質性の検査を行ったうえで,合格した細胞のみを投与した.投与方法は,末梢静脈内に30~60分かけて点滴静注した.症例の内訳は,男性9名・女性3名,年齢は41~73歳(59.2±8.2歳),運動麻痺12名・失語症5名,脳梗塞発症後36~133日に細胞移植を行った.評価は一般検査のほか,画像診断学的検査(MRI)および臨床症状の評価〔National Instituteof Health Stroke Scale(NIHSS),mRS〕を行った.16結果の詳細については原著)で報告しているが,NIHSSおよびmRSでの評価において,移植を契機に回復スピードが統計学的に有意に加速することが判明した.脳梗塞後のナチュラルコースとしての自然回復が緩慢になってくる亜急性期において,症状改善がさらに加速した.また,一般的には脳梗塞後のMRI(FLAIR)の経時的変化は1カ月程度で収束し,発作後30日の時点での高信号域が最終的な梗塞巣ときわめて近いと報告されているが,本臨床研究では,それよりさらに後の時点で移植をしているにもかかわらず,MRI(FLAIR)における高信号域が移植後統計学的に有意に減少することも判明した16).2治療メカニズム1)BBBとhoming虚血損傷によって血液脳関門(blood?brain barrier:BBB)が破壊されることは周知の事実であり,Current Therapy 2012 Vol.30 No.11116767