カレントテラピー 30-1 サンプル

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治療薬解説(mmHg)5プラセボ投与拡0張期血圧-5の変化-10-15アリスキレン150mg投与p<0.0001 vs.プラセボ08:0012:0016:0020:000:0004:00時刻08:00図3アリスキレン1回経口投与時の降圧効果の持続性アリスキ....

治療薬解説(mmHg)5プラセボ投与拡0張期血圧-5の変化-10-15アリスキレン150mg投与p<0.0001 vs.プラセボ08:0012:0016:0020:000:0004:00時刻08:00図3アリスキレン1回経口投与時の降圧効果の持続性アリスキレン150mg経口投与後の24時間自由行動下平均拡張期血圧のベースラインからの推移(8週時)を示す.アリスキレン(150mg/日)は24時間にわたり有意な降圧効果を示す.〔参考文献5)より引用改変〕高齢高血圧患者を対象としたAliskiren for GEriatricLowEring of SyStolic hypertension(AGELESS)試験で,アリスキレンをベースとした降圧治療は,ramipril(ACE阻害薬)をベースとした降圧治療よりも,降圧効果や降圧目標達成率の点で有意に優れていることが報告されている7).また,アリスキレンの降圧効果は,Ca拮抗薬や利尿薬と併用することによって著明に増強されるので,アリスキレン単独投与で降圧が不十分な場合には,これらの薬剤との併用投与が有効である(図2).日本人高血圧患者を対象とした成績では,アリスキレンの有害事象発現率や忍容性はプラセボと有意差がなく,副作用が少ない安全性の高い薬剤であるといえる.また,ACE阻害薬でみられる咳の副作用もない.このように,アリスキレンは降圧治療薬として十分に期待できる.Ⅳアリスキレンの腎保護効果Aliskiren is the Evaluation of Proteinuria in Diabetes(AVOID)試験では8),標準的な糖尿病性腎症治療(ロサルタン100mg/日を含む)を受けている,高血圧合併2型糖尿病性腎症患者に,アリスキレン150mg/日を3カ月間投与,さらに300mg/日を3カ月間投与し,6カ月間のアリスキレン追加治療による腎保護効果をプラセボと比較検討した.主要評価項目は,尿中アルブミン/クレアチニン比(UACR)であった.アリスキレンの追加投与により,血圧は有意に低下しなかったが(図4A),UACR(図4B),尿中アルブミン排泄率が有意に低下した.有害事象に関しては,血清カリウム値が上昇する傾向はみられたが,アリスキレン投与とプラセボ投与間で有意差はなかった.すなわち,ロサルタン100mg/日での治療下において,アリスキレン追加投与は降圧とは非依存的に尿中アルブミン排泄の減少作用をもつことから,ARBとアリスキレンの併用が糖尿病性腎症の有効な治療戦略であることが示唆される.また,高血圧合併2型糖尿病性腎症患者を対象に,アリスキレン,イルベサルタン(ARB),両薬剤併用の効果を比較したクロスオーバー試験においても,アリスキレンとイルベサルタン併用がそれぞれの単独投与よりも,降圧効果,UACRの減少効果の点で有意に優れていることが報告されている9).合併症のない1型糖尿病患者におけるアリスキレンの腎血行動態や血管機能に対する効果を調べた成績も報告されている.アリスキレン投与により血糖値とは無関係に腎血流量の増加と糸球体濾過量(glomerular filtration rate:GFR)の増加がみられた.また,アリスキレン投与により血管内皮機能の改善効果,血管stiffnessの改善効果も示された.すなわち,アリスキレンが血糖値とは独立して1型糖Current Therapy 2012 Vol.30 No.16565