カレントテラピー 30-1 サンプル

カレントテラピー 30-1 サンプル page 16/30

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これからの高血圧治療―残された課題への挑戦直接的レニン阻害薬(アリスキレン)の位置づけと展望a b s t r a c t*光山勝慶直接的レニン阻害薬(direct renin inhibitor:DRI)であるアリスキレンは,アンジオテン....

これからの高血圧治療―残された課題への挑戦直接的レニン阻害薬(アリスキレン)の位置づけと展望a b s t r a c t*光山勝慶直接的レニン阻害薬(direct renin inhibitor:DRI)であるアリスキレンは,アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬,アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)に次ぐ第3番目のレニン・アンジオテンシン系(RA系)阻害薬である.アリスキレンは高血圧症治療薬として使用されているが,従来のRA系阻害薬と異なる薬理作用をもち,強力な降圧効果と優れた降圧持続作用を発揮する.また,副作用が少ない安全性の高い薬剤であり,降圧治療薬として期待されている.Aliskirenis the Evaluation of Proteinuria in Diabetes(AVOID)試験やALiskiren Observationof heart Failure Treatment(ALOFT)試験などの臨床研究で,腎保護作用や心血管保護作用に関しても注目されている.また,各種病態モデルを用いた基礎研究から,糖尿病や高血圧による心血管合併症,血管性認知症に対する有効性が報告されている.しかしながら,アリスキレンの位置づけを明らかにするためには現在進行中の大規模臨床試験の結果を待つ必要がある.Ⅰはじめに直接的レニン阻害薬(direct renin inhibitor:DRI)であるアリスキレンが,アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬,アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)に次ぐ第3番目のレニン・アンジオテンシン系(RA系)阻害薬として臨床で使用されている.現在,アリスキレンは高血圧症治療薬として使用されているが,従来のRA系阻害薬と異なる薬理作用をもち,優れた降圧効果のみならず臓器保護作用の点でも注目されている.本稿では,アリスキレンの薬理作用の特徴,臨床データを紹介し,現状での位置づけと展望について述べる.Ⅱアリスキレンの薬理作用の特徴―ACE阻害薬,ARBとの相違点―アリスキレンはレニン分子の活性部位に直接結合することにより,レニンの酵素活性を阻害し,アンジオテンシノーゲンからアンジオテンシンⅠへの変換を抑制する薬剤である(図1)1).すなわち,アリスキレンは従来のRA系阻害薬よりも,上流レベルでRA系カスケードを阻害する特徴をもつ.したがって,アリスキレンを投与すると血漿レニン活性(plasma renin activity:PRA)が低下し,血中のアンジオテンシンⅠおよびアンジオテンシンⅡ濃度も低下する.一方,ARBはAT1受容体を阻害するので,PRA,アンジオテンシンⅠ,アンジオテンシンⅡ濃度すべてが増加する.ACE阻害薬では,一般に血中アンジオテンシンⅡ濃度は低下するが,*熊本大学大学院生命科学研究部(医学系)生体機能薬理学教授Current Therapy 2012 Vol.30 No.16363