カレントテラピー 30-1 サンプル

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Non-Standardized B coefficient(95%信頼区間)p-value年齢?0.002(?0.004 to0.001)0.230性別(男性=1)0.020(?0.028 to0.066)0.418Body mass index0.001(?0.007 to0.007)0.986家庭収縮期血圧の起立時血圧上....

Non-Standardized B coefficient(95%信頼区間)p-value年齢?0.002(?0.004 to0.001)0.230性別(男性=1)0.020(?0.028 to0.066)0.418Body mass index0.001(?0.007 to0.007)0.986家庭収縮期血圧の起立時血圧上昇の低下度0.004(0.001 to0.007)0.005座位家庭収縮期血圧の低下度0.010(0.007 to0.012)<0.001ドキサゾシンの投与(投与有=1)?0.059(?0.119 to ?0.000)0.050ベースライン時の座位家庭収縮期血圧0.006(0.004 to0.008)<0.001R 2=0.24表多変量解析による尿中アルブミン排泄の低下と各パラメータの関係〔参考文献5)より一部引用改変〕ベースライン時に行ったトレッドミルの運動中に伴う血圧上昇が将来の高血圧発症に関連するか検討された.その結果,運動による過度の血圧上昇(性別,年齢ごとの上位5%以内に入る場合)は,男性で4.2倍,女性で2.2倍の高血圧発症のリスクであった1).しかしながら,運動中の血圧上昇の異常値をいくつと定義するのか,また,どのポイント(運動開始直後,運動中,運動終了直後)の血圧を採用するのかなど各報告により異なっており,なによりも運動中に測定する非観血的血圧測定法が特に拡張期血圧においてはあてにならないなどの問題があり,近年では高血圧発症における予測因子としての運動負荷は勧められていない.また,運動時の血圧上昇が心血管イベント発症に関連するかどうかの報告も散見される.運動に伴う血圧上昇が過度になるということは,運動中に拡張すべき血管の反応性が悪く,血管構造の問題があるともいえる.実際,運動中の過度の血圧上昇は,臓器障害との関係や心血管イベントとの関係が報告されている2),3).一方で,運動中は心拍出量の増加が重要な役割を示すことから,心機能が低下している心不全患者では運動中に十分に心拍出量が上昇せず,それを補うために過度の血圧上昇をきたす可能性がある.しかしながら,心機能が低下している場合は労作性の血圧低下をきたすことがあり,血圧が上昇しないことが,予後を悪化させる因子ともされている.したがって,運動中の血圧反応に関しては,それがリスクか否かについては背景にある病態に応じて考慮する必要がある.2起立時の血圧変動起立に伴う血圧変動異常は,起立性低血圧と起立性高血圧に分けられる.通常,健常人の場合,立位により下肢に血液が移動する.このため心臓への静脈灌流量が低下し,一過性の心拍出量の減少から血圧低下が起こる.しかし健常人であれば,代償機序として,血圧,心拍数を調節する圧受容体が刺激され,心拍数および血管抵抗が上昇し,心拍出量と血圧が正常に戻ることになる.すなわち,この代償機構が障害されている場合に,起立性低血圧が生じることになる.したがって,加齢に伴う圧受容器反射能の低下が起立性低血圧の最も重要な要因である.われわれは,早朝高血圧を有する患者を対象にして,α1遮断薬であるドキサゾシンの就寝前投与が早朝高血圧,臓器障害の抑制に有用であるか否かを検討した4).そのサブ解析のなかで,家庭血圧での起立時の血圧変動を評価したところ,起立性高血圧(起立時の血圧変動を10分位し最高10分位目)を呈する高血圧患者では,尿中アルブミン排泄が起立性正常血圧群,起立性低血圧群に比較して高いことを報告した.また,ドキサゾシンは過度の起立時血圧上昇を低下させ,その低下は通常の座位血圧レベルの低下と独立して尿中アルブミン排泄の低下と関連していた(表)5).起立時の血圧変動は,起立性低血圧ばかりが注目されがちであるが,起立性高血圧も臨床的に重要と思われる.海外のデータでは,Atherosclerosis Risk In Communities(ARIC)研究において起立性高血圧がラクナ梗塞発症のリスクであることが報告されている6).Current Therapy 2012 Vol.30 No.12525