カレントテラピー 29-7 サンプル

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特集●高尿酸血症のマネジメント―臓器障害の観点から(mg/dL)血清尿酸値(%)高尿酸血症患者の割合8**†10080660(9/20)440220(0/16)00NCⅠⅡⅢNCⅠⅡⅢ(23/40)(14/22)(mg/日)一日尿中尿酸排泄量800600....

特集●高尿酸血症のマネジメント―臓器障害の観点から(mg/dL)血清尿酸値(%)高尿酸血症患者の割合8**†10080660(9/20)440220(0/16)00NCⅠⅡⅢNCⅠⅡⅢ(23/40)(14/22)(mg/日)一日尿中尿酸排泄量8006004002000***NCⅠⅡⅢ(mL/分)尿酸クリアランス1086**4*20NCⅠⅡⅢ図1心不全患者の高尿酸血症NC:健常者,Ⅰ:NYHAクラスⅠ,Ⅱ:NYHAクラスⅡ,Ⅲ:NYHAクラスⅢ,*:p<0.05 vs.健常者,†:p<0.05 vs. NYHAⅠ〔参考文献15)より引用改変〕(mg/dL)1601208040086420空腹時血糖(μU/mL)40インスリン0BL PL BZ BL PL BZHOMA-IR302010**図2BLPLBZベンズブロマロンによる糖代謝指標の変化BL:ベースライン,PL:プラセボ,BZ:ベンズブロマロン,*:p<0.05 vs.プラセボ〔参考文献15)より引用改変〕尿酸値低下作用というよりむしろXOを介するフリーラジカル産生の抑制によるものと考えられている.一方,尿酸そのものの血管に対する作用や,尿酸による炎症性サイトカインの活性化が心不全に影響を及ぼしている可能性もある.しかしながら,心不全に対してXO阻害薬であるオキシプリノールを使用したOPT -CHF試験では,全体としては臨床的な改善は認めなかった19).ただし,高尿酸血症を合併したサブグループ解析では尿酸の低下度に応じて改善が認められており,さらなる検討が必要である.われわれは,尿酸排泄促進薬であるベンズブロマロンの心不全に合併する高尿酸血症に対する影響を検討した.ベンズブロマロンによって心機能は改善しなかったが,血漿インスリン値およびHOMA -IRが低下し,インスリン抵抗性の改善が明らかとなった(図2)15).以上より,心不全に合併する高尿酸血症の病態としては,XO活性が心機能に影響を及ぼし,尿酸は心機能よりむしろ心不全に合併する糖代謝異常に関与する可能性が示唆された.Ⅵおわりに高尿酸血症の心血管障害における位置づけ,特に心不全と高尿酸血症の関連について最近の知見を加えて概説した.近年,心疾患と尿酸値の関連性が注目されているが,大規模な介入試験が行われておらず,未解決な問題が多いのが実際である.大規模臨床試験を含めたさらなる研究が望まれる.Current Therapy 2011 Vol.29 No.7 29591