カレントテラピー 29-12 サンプル

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1 HELP 496 981EML4 Basic WD1EML4-ALK variant 1496 1059ALK1 1058KinaseTM1620図EML4-ALKの構造受容体型チロシンキナーゼALKの細胞内領域が微小管会合タンパクEML4と融合して,新しい活性型融合キナーゼEML4-ALKが....

1 HELP 496 981EML4 Basic WD1EML4-ALK variant 1496 1059ALK1 1058KinaseTM1620図EML4-ALKの構造受容体型チロシンキナーゼALKの細胞内領域が微小管会合タンパクEML4と融合して,新しい活性型融合キナーゼEML4-ALKが生じた.〔参考文献15)より引用改変〕胞リンパ腫の患者に60?80%の高い奏効割合が確認されている9).また近年第二世代の抗CD20抗体も開発されており,主にヒト型化抗体で強力な補体依存性細胞毒性をもっている.また,新しい抗CD20抗体としては,AME -133,PRO131921,veltuzumab,ocrelizumab,ofatumumabなどがある8).4)抗CCR4抗体ケモカインとその受容体はさまざまなリンパ球サブセットの遊走と組織の局在に重要な役割を果たしている.そのなかでCCケモカイン受容体4(CC chemokinereceptor 4:CCR4)は,T-ヘルパー2型と制御性T細胞(regulatory T cell:Treg)に発現している一方,成人T細胞白血病(adult T -cell leukemia:ATL)とヒトT細胞白血病ウイルス1型(human adult T-cell leukemia virus-Ⅰ:HTLV-1)で不死化したT細胞にCCR4が発現することが報告された10).その後,ほかのT細胞悪性に関して,未分化型大細胞型リンパ腫,菌状息肉腫と皮膚T細胞性リンパ腫において,CCR4の高頻度の発現が観察された.そのことからCCR4を標的とした薬剤がATLに対して有効であると考えられ,抗CCR4ヒト化モノクローナル抗体が松島と協和発酵キリン株式会社の共同研究により作製された.それに基づく抗CCR4ヒト化モノクローナル抗体(KW -0761)は,T細胞に発現するCCR4抗原を標的として,ADCC活性を示す.また,抗体のCH2ドメインに結合しているN型糖鎖からフコースを除去すると抗体のエフェクター細胞上のFc受容体への結合親和性が増加することによりADCC活性が大幅に上昇することからKW-0761はフコースを除去されている11).Yamamotoら12)はCCR4陽性の再発ATL患者と他の末梢性T細胞リンパ腫(peripheral T -cell lymphoma:PTCL)患者における安全性,薬物動態,推奨する第Ⅱ相用量,およびKW -0761の有効性を評価するために設計された第Ⅰ相試験の結果を報告している.KW-0761は,試験したすべての用量(0.01?1mg/kg)レベルで安全性は良好であり,CCR4陽性の再発ATLまたはPTCLに対して13%の完全寛解(CR)を含む奏効率31%で有効性を示した.さらに,KW -0761は,従来のリツキシマブを使用した抗体治療と比較してより低い服用量(1/1,000)で有効性を示した13).国内第Ⅱ相臨床試験については,化学療法奏効後に再発または再燃したCCR4陽性ATLを対象として,KW -0761の1.0mg/kgを1週間間隔で8回投与したときの有効性および安全性などを検討した.その結果,30%のCRを含む奏効率50%が示され有効性が確認された.現在,KW-0761はATLの治療薬として国内医薬品製造販売承認申請中である14).Ⅱ新たな分子標的分子とその治療(ALK阻害剤)Manoらは形質転換を誘導する癌遺伝子を単離する目的で肺癌の臨床検体から,cDNA発現レトロウイルスライブラリーを作製し,線維芽細胞NIH3T3を用いたフォーカスフォーメーションアッセイを行った15).その結果,喫煙者に生じた肺腺癌検体から構築したcDNAライブラリーを検索したところ,5’側では微小管会合タンパクの1種であるetinoderm101078