カレントテラピー 29-12 サンプル

カレントテラピー 29-12 サンプル page 6/42

電子ブックを開く

このページは カレントテラピー 29-12 サンプル の電子ブックに掲載されている6ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
表抗体医薬の研究・開発動向一般名製品名メーカー標的適応セツキシマブアービタックスRブリストル-マイヤーズスクイブ抗EGFRキメラ抗体EGFR陽性の治癒切除不可能な進行/再発の結腸直腸癌パニツムマブベクティビック....

表抗体医薬の研究・開発動向一般名製品名メーカー標的適応セツキシマブアービタックスRブリストル-マイヤーズスクイブ抗EGFRキメラ抗体EGFR陽性の治癒切除不可能な進行/再発の結腸直腸癌パニツムマブベクティビックスRアムジェンヒト化EGFR抗体化学療法施行後進行したEGFR陽性の転移性結腸・直腸癌トラスツズマブハーセプチンRジェネンテック/ロシュHER2に対するヒト化抗体乳癌Pertuzumabomnitarg Rジェネンテック/ロシュHER2に対するヒト化抗体乳癌リツキシマブリツキサンR /ジェネンテック/ロシュ抗CD20キメラ抗体非ホジキンリンパ腫mebathera RイブリツモマブチウキセタンゼヴァリンRバイオジェン・アイデックCD20抗体と放射線化合物再発性非ホジキンリンパ腫131I-Tositumomabbexxar Rグラクソ・スミスクラインCD20抗体と放射線化合物再発性非ホジキンリンパ腫Alemtuzumabcampath Rジェンザイム/バイエルヒト化CD52抗体B細胞性慢性白血病ゲムツズマブオズガマイシンマイロターグRファイザーヒト化抗CD33抗体+カリ急性骨髄性白血病(AML)ケアマイシンベバシズマブアバスチンRジェネンテックヒト化VEGF抗体進行・再発結腸直腸癌KW-0761協和発酵キリンヒト化CCR4抗体CCR4陽性成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)EGFR:epidermal growth factor receptor,HER2:ヒト上皮細胞増殖因子受容体2型,VEGF:vascular endothelial growth factorノテカン(FOLFIRI化学療法)と併用することで,腫瘍のK -rasが野生型である場合,転移性大腸癌患者で無増悪性生存期間(progression free survival:PFS)を延長することが示された.対照的に,K -rasの変異があるとき,これらの治療薬は効果がない3).2)抗HER2抗体EGFRと対照的に,ヒト上皮細胞増殖因子受容体2型(HER2)は既知のリガンドがない.そして,この受容体を標的とした抗体は,主にリガンドの結合よりはむしろ受容体のホモとヘテロ二量体化と細胞内移行を抑制する4).肺,卵巣,前立腺,胃腸の癌と腺癌ではまれにHER2は遺伝子増幅されるが,浸潤乳癌では約30%で遺伝子増幅され過剰発現している.また,胃癌におけるHER2はHER2を標的とした治療の重要なバイオマーカーのひとつとなっている.トラスツズマブ(ハーセプチンR)は,ヒト型化IgG1抗体でありHER2の遺伝子増幅と過剰発現を示す浸潤乳癌の治療のために使われる.トラスツズマブ単独療法は,化学療法を受けていない転移性乳癌患者で,35%の奏効率を示している5).トラスツズマブがその抗腫瘍性の効果を及ぼす機序は,受容体二量体化の阻害,エンドサイトーシスの破壊,免疫活性化の抑制である.もう一つのHER2に作用する抗体,pertuzumab(omnitarg R)は,ヒト型化IgG1抗体でありトラスツズマブと異なったサイトに結合し,受容体二量体化を阻害する6).また,ペルツズマブとトラスツズマブによる併用療法の相乗的な抗腫瘍性の効果が報告されている7).3)抗CD20抗体リツキシマブ(リツキサンR /mabthera R)は,正常なB細胞およびCD20陽性のB細胞リンパ腫の悪性細胞の表面にあるCD20抗原を標的とするモノクローナルキメラ(マウスとヒト)抗体である8).適応は,CD20陽性の低悪性度または濾胞性B細胞性非ホジキンリンパ腫,マントル細胞リンパ腫であり単独での使用も行われるが,シクロホスファミド,ドキソルビシン,ビンクリスチン,プレドニゾロン(CHOP)療法との併用も行われている.この併用療法は,副作用を増やすことなく患者の大細胞型B細胞リンパ腫関連の死亡を減少させている.一方,アイソトープの発する放射線で,隣接した癌細胞への効果も期待できることから放射線を発するアイソトープと抗体を結合させた薬も開発されている.イブリツモマブチウキセタン(セヴァリンR)は,90 Yがチウキセタンという結合物質を介し,マウス型抗CD20抗体イブリツモマブに結合している.131 I-tositumomab(bexxar R)は,131 Iを結合させた抗CD20抗体である.両剤とも,抗癌剤治療後の再発患者や,リツキシマブにより十分な効果が得られなかった低悪性度B細Current Therapy 2011 Vol.29 No.12 91077