カレントテラピー 29-12 サンプル

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ATP結合ループ(Pループ)228 VSPNYDKWEM ERTDITMKHK LGGGQYGEVY EGVWKKYSLT VAVKTLKEDTヘリックスαCゲートキーパーヒンジ278 MEVEEFLKEA AVMKEIKHPN LVQLLGVCTR EPPFYIITEF MTYGNLLDYL328 RECNRQEVNA VVLLYMATQI S....

ATP結合ループ(Pループ)228 VSPNYDKWEM ERTDITMKHK LGGGQYGEVY EGVWKKYSLT VAVKTLKEDTヘリックスαCゲートキーパーヒンジ278 MEVEEFLKEA AVMKEIKHPN LVQLLGVCTR EPPFYIITEF MTYGNLLDYL328 RECNRQEVNA VVLLYMATQI SSAMEYLEKK NFIHRDLAAR NCLVGENHLV活性化ループ(Aループ)378 KVADFGLSRL MTGDTYTAHA GAKFPIKWTA PESLAYNKFS IKSDVWAFGV428 LLWEIATYGM SPYPGIDLSQ VYELLEKDYR MERPEGCPEK VYELMRACWQ478 WNPSDRPSFA EIHQAFETMF QESBcr-Ablのキナーゼ部活性中心部(拡大図)N端部分イマチニブゲートキーパーヒンジPループAループヘリックスαCC端部分DFGモチーフとヘリックスαCの会合様式(拡大図)イマチニブDFGモチーフヘリックスαCのGlu286図低分子薬と分子標的の結合ここではイマチニブ(橙色)とAbl(赤紫色)の結合を例として取り上げた.活性化部位を構成するヒンジ部やループ構造,さらにヘリックス構造を一次構造上にボックスで,結晶構造上には黄色で示す.ATPやキナーゼ阻害剤の結合に関与するゲートキーパーとよばれるヒンジ部隣のアミノ酸(T315),酵素触媒反応を担うDFGモチーフとヘリックスαC中のグルタミン酸(Glu 286)を一次構造上に赤字で示す.イマチニブはDFGモチーフとE286が会合していない不活化型(DFGのアミノ酸側鎖がE286の側鎖と隣接していない状態)のAblに結合する.イマチニブのAblへの結合はATPとは非競合的である.この図はPDB ID:2HYYをCn3Dv4.3(http://www.ncbi.nim.nih.gov)により可視化したものである.性の低い低分子薬は分子標的を有効に抑制できる濃度に達する以前に多くの副作用を発現してしまったり,強い副作用のために他の薬剤との併用療法の最適化が難しいなどの問題がある.副作用を抑えたい場合や長期投与を行う場合,あるいは他剤との併用を考える場合には選択性の高いキナーゼ阻害剤が有利であろう.一方,単剤で強力な細胞障害性を期待したい場合や多くの治療に抵抗性を示す癌に使用する場合は選択性の低いキナーゼ阻害剤が向いていると思われる.低分子薬の分子標的はほとんどの場合正常細胞においても重要な役割を果たしている.多くの場合,癌細胞では分子標的が恒常的に活性化されているため正常細胞に比べて低分子薬に対する感受性が高いが,この点は通常の抗癌剤と同じである.癌細胞と正常細胞内の分子標的の低分子薬に対する感受性の差を上手く利用して治療に用いていくことができる.しかしながら臓器や癌患者の状況によっては正常細701138