カレントテラピー 29-12 サンプル page 17/42
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概要:
アフェレーシス投与がんDC回収単球回収患者GM-CSF,IL-4などがん細胞ライセート,がん抗原ぺプチドなどDCに分化がん抗原の取り込み(がんワクチンDC療法の場合)図3DC移入療法点である11).また,Th1微小環境でTc17....
アフェレーシス投与がんDC回収単球回収患者GM-CSF,IL-4などがん細胞ライセート,がん抗原ぺプチドなどDCに分化がん抗原の取り込み(がんワクチンDC療法の場合)図3DC移入療法点である11).また,Th1微小環境でTc17なども抗腫瘍エフェクターに変換させる利点もある.すでに,われわれは放射線療法や化学療法とTh1細胞治療との併用療法がより有効であることも確認している12).以上の科学的根拠に基づいて,MAGE-A4抗原を発現する頭頸部がん,乳がん,非小細胞肺がんまたは消化器がんを含むすべての難治性がん種の進行・再発症例に対して,MAGE -A4あるいはsurvivin特異的Th1細胞を誘導し,可能であればがん局所に,あるいは困難であれば近傍皮下に投与する治療法を考案した.移入されたTh1細胞はヘルパーぺプチドによる刺激,あるいは体内の抗原提示細胞とのがん抗原ぺプチドを介した相互作用により,タイプⅠサイトカインを産生することでがん患者生体内にがん抗原特異的キラーT細胞の誘導および活性化をも引き起こすことが期待できる.この安全性を検討する第Ⅰ相臨床試験を実施することにより,全身的かつ腫瘍特異的な免疫が誘導されることによる抗腫瘍効果を期待する新しい治療法の開発に貢献できると考えている.われわれは細胞治療の最終ゴールはTh1細胞治療と信じて,多くの日本人に汎用性のある数種類のMHCクラスⅡがん抗原ペプチドを単離し,それらのペプチドを用いてがん特異的Th1細胞を試験管内で誘導することに成功した(図4)13).その結果,MAGE -A4やsurvivinは多くのがんに発現していることが明らかとなった.さらにわれわれは,がん特異的Th1細胞を誘導するためには,従来の15?24merのショートペプチドより,40merのロングペプチドが有効であることを確認し,ヘルパーエピトープとキラーエピトープを人工的に結合させたhelper/killer -hybrid epitope long peptide(H/K -HELP)を作製した.実際にH/K -HELPを用いた第Ⅰ相安全性を北海道大学病院,札幌北楡病院,株式会社バイオイミュランス,テラ株式会社との共同研究で開始し,さらに東海大学,東京慈恵会医科大学,近畿大学,愛媛大学,産業医科大学との連携で全国的多施設共同ヘルパーコンソーシアムを構築して,本臨床研究の推進を図っている.その結果,MAGE- A4およびsurvivin-H/K-HELPを用いたがんワクチン治療により,がん患者の生体内でがん特異的Th1細胞,Tc1細胞の活性化,さらにはTh1依存的抗体価の上昇が確認され,MAGE - A4- H/K -HELPでは大腸がんの増殖抑制(SD判定)が認められた.また,survivin -H/K -HELPワクチン治療では制がん剤および放射線耐性のトリプルネガ641132