カレントテラピー 29-12 サンプル

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がん特異的リンパ球移入療法CTL,TCR遺伝子導入T細胞,抗原併用DC,Th1細胞…抗体療法2010年代~抗CD20,抗HER2,抗CTLA4,抗CCR4抗体…2000年代ペプチドワクチン療法がん特異的免疫活性化MAGE,NY-ESO-1,WT-1,sur....

がん特異的リンパ球移入療法CTL,TCR遺伝子導入T細胞,抗原併用DC,Th1細胞…抗体療法2010年代~抗CD20,抗HER2,抗CTLA4,抗CCR4抗体…2000年代ペプチドワクチン療法がん特異的免疫活性化MAGE,NY-ESO-1,WT-1,survivin…T. Boonがん抗原の発見・同定(1991)1990年代活性化リンパ球移入療法1980年代LAK,NK,DC…~1970年代サイトカイン療法IFNα,IL-2非特異的免疫賦活剤非特異的免疫活性化BCG,OK432,レンチナン,クレスチン,丸山ワクチン…図1がん免疫療法の歴史3),4法である(図2).またLAK療法),αβT細胞療法,γδT細胞療法,NK細胞療法,NKT細胞療法なども存在するが,本稿では,がん患者にがん特異的CTLを誘導して癌を治すことを目的とする,CTL療法,樹状細胞(dendritic cell:DC)療法,がん特異的Th1細胞移入療法について述べる.1 CTL療法CTL療法は,がん患者より回収したTリンパ球を培養・活性化する際,患者自身のがん細胞を同時に添加することで,がん細胞特異的に殺傷能力をもったCTLを活性化,増殖させ,体内に戻す治療法として考案された.手術や胸水・腹水サンプルなど,患者自身のがん細胞が提供され得る場合に適応が可能で,一般に正常細胞になく,がん細胞だけにあるがん抗原特異的なCTLをいかにして効率よく増殖させるかという研究が世界中で行われている.しかしながら,体外で行うCTLの誘導培養は作業が煩雑なうえ,成功率も決して高いものではなく,臨床応用するためには多くの課題が残されている.がん抗原が発見されてからは,がん抗原ぺプチド刺激でCTLを増殖させることも可能になった.しかし,CTLはIL -2を多く産生することができず,生体内寿命が短いことが問題である.最近では,この問題を克服するために,生体内での生存が長期期待できるエフェクターメモリーCTLやT細胞レセプター(Tcell receptor:TCR),キメラ抗原受容体(chimericantigen receptor:CAR)遺伝子導入CTLを用いた細胞治療が行われている.特にCAR遺伝子導入CTLは良好な成果をおさめており,多くの腫瘍縮小例も出ている.2樹状細胞(dendritic cell)療法DCは体内で損傷を受けたがん細胞を貪食し,主要組織適合抗原複合体(MHC)クラスⅠあるいはクラスⅡにがん抗原を提示し,最終エフェクターであるT細胞に抗原を提示する働きを担う.このDCを用いて特異的がん免疫の活性化に期待できるのがDCワクチン療法である.DC療法には3つの方法があり,一つ目は患者のがん組織・がん細胞を利用した自己がん組織DC療法,二つ目は人工抗原を利用した人工抗原DC療法,三つ目は自己がん組織・がん細胞や有望な人工抗原がない患者に対してDCをがんに直接注入する局所DC療法である.手術でがん組織が採取できる場合には自己がん組織DC療法が期待される.自己のがん組織は採取できないが,がん抗原の発現がチェックでき,使用可能ながん抗原タンパク質あるいはぺプチドが入手可能である場合には,がん抗原タンパク質またはぺプチドをパルスしたDCを用いたDC療法が施行できる.局所DC621130