カレントテラピー 29-12 サンプル

カレントテラピー 29-12 サンプル page 11/42

電子ブックを開く

このページは カレントテラピー 29-12 サンプル の電子ブックに掲載されている11ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
SAGE librariesCAST methodTranscriptomeDissectionofcancer tissueDetailedMolecularPathogenesisGene expression profilesldentification of novel genesspecific in cancerAntibody productionELISA/lmmunohistoc....

SAGE librariesCAST methodTranscriptomeDissectionofcancer tissueDetailedMolecularPathogenesisGene expression profilesldentification of novel genesspecific in cancerAntibody productionELISA/lmmunohistochemistryAnalysis of biological functionSNP analysisCase-control studyCustom-made oligo-DNA arrayEarly cancerdetectionMolecular targettherapyPersonalizedcancer preventionDiagnosis forpersonalized medicineBasicresearchPreclinicalstudyTranslationalresearchClinicalimplication図1当研究室におけるがん関連遺伝子同定のストラテジー的な原理は,mRNAのpoly Aテールに最も近いCATGから下流10塩基(これをタグと定義している)をPCRで増幅後,いくつも直列に連結し,クローニングベクターに組み込み,シークエンスしてタグの出現頻度と種類を解析するものである.利点は未知遺伝子の解析も可能であること,定量性が高いことである.特に本法はがんにおいて発現が亢進している遺伝子の同定に優れており,新規診断マーカー・治療標的の探索に適している.欠点は多数のクローンをシークエンスにより解析しなければならないため,DNAマイクロアレイと比較して時間とコストがかかることである.これらの欠点については,次世代シークエンサーの登場により克服されつつある.2食道がんにおけるSAGE解析食道がん,特に食道扁平上皮がんのSAGE法による網羅的遺伝子発現解析は,著者らを含め2つの報告がある4),5).著者らは,原発性の食道扁平上皮がんを材料にSAGE解析を行い,食道がんにおいて発現異常をきたしているさまざまな遺伝子を同定している.そのなかでも分泌タンパク質をコードするADAMTS16遺伝子は食道扁平上皮がんで特に発現が亢進しており注目した5).ADAMTS16は食道扁平上皮がんの40%で発現亢進が認められ,進行度と関連していた.食道がん細胞株TE5ではADAMTS16の高発現が認められるが,TE5のADAMTS16をsiRNAでノックダウンすると,細胞増殖能,浸潤能いずれもが抑制された.ADAMTS16は食道がんの新規腫瘍マーカーになる可能性があり,さらに治療の分子標的としても理想的である.またADAMTS16に加え,食道がんの予後を予測するマーカーも同定しており,現在解析を進めている.3胃がんにおけるSAGE解析胃がん組織を用いたSAGE法による網羅的遺伝子発現解析は,著者らを含めて4つの報告がある.著者らは,原発性の胃がん4例とそのリンパ節転移1例を材料にSAGE解析を行い,多数の胃がん関連遺伝子を同定した6).さらに正常臓器のSAGEデータと胃がんのSAGEデータを比較し,APIN,TRAG3,C Y P2W1,M I A,M M P10,D K K4,O L F M4,REG4,HORMAD1の9種類の遺伝子を,胃がん特異的に発現している遺伝子として報告している7).これらのうち,分泌タンパク質をコードしているMIA,MMP10,DKK4,REG4,OLFM4については血清腫瘍マーカーとしての有用性を検討した.MIA,MMP10,DKK4タンパク質に対しては利用可能な抗体があり,胃がん患者の血清濃度をELISA法で測定すると,胃がん診断の感度はMIA,DKK4はそれぞれ6%,1%と低く,臨床応用は困難であった.一方,MMP10の特異度は85%とやや低かったものの,感度は94%と高く,胃がんのスクリーニングに有用と考えられた7).同一血清サンプルを材料にCEA,CA19 -9も測定したが,感度はそれぞれ10%程度と低かった.REG4遺伝子は2001年に炎症性腸疾患で発現が亢421110