カレントテラピー 29-11サンプル

カレントテラピー 29-11サンプル page 21/32

電子ブックを開く

このページは カレントテラピー 29-11サンプル の電子ブックに掲載されている21ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
EGFR遺伝子変異ありEGFR遺伝子変異なし初回化学療法適応なしいずれかの時点においてゲフィチニブもしくはエルロチニブ*を投与する2次化学療法*現在のところエルロチニブは初回療法としての保険適応なし3次化学療法....

EGFR遺伝子変異ありEGFR遺伝子変異なし初回化学療法適応なしいずれかの時点においてゲフィチニブもしくはエルロチニブ*を投与する2次化学療法*現在のところエルロチニブは初回療法としての保険適応なし3次化学療法いずれかの時点においてエルロチニブが治療選択肢のひとつとなる図EGFR遺伝子変異別治療戦略後に,活性化EGFR遺伝子変異(exon19欠失変異,exon21点突然変異)の有無によりゲフィチニブの効果が大きく異なることが明らかとなり,遺伝子変異陽性NSCLCに対するゲフィチニブの効果は奏効率80%という驚異的なものであることが示された2).ゲフィチニブに続いて開発されたEGFR -TKIであるエルロチニブ(タルセバR)も同様に,遺伝子変異陽性NSCLCに高い効果を示すことが明らかにされている.このことは,癌治療において,これまでのような組織型ではなく,分子マーカーによる治療対象の選別が重要であることを示唆する大きな教訓となった.現在,再発・転移性NSCLCの治療において,EGFR遺伝子変異の有無によりEGFR -TKIの役割が大きく異なっている.そのため,治療薬剤の決定に先んじてEGFR遺伝子変異の有無を確認することが必須と考えられる.本稿では,再発・転移性NSCLCにおける現在のEGFR -TKIの役割と,EGFR -TKIの今後の展望について述べていく.●Ⅱ肺癌における使い方(図)1 EGFR遺伝子変異陽性NSCLCに対するEGFR-TKI初回から3次治療までのいずれかの時点でゲフィチニブ・エルロチニブどちらかのEGFR -TKIを使用することが望ましい.日本肺癌学会ガイドラインでは,2次治療までのEGFR -TKIの使用が推奨されている.ただし,本邦においてエルロチニブの初回使用は現時点では承認されていない.近年,初回治療としてEGFR -TKIの有効性を示す臨床試験が本邦を中心に報告されており,EGFR遺伝子変異陽性NSCLCに対する初回治療でEGFR -TKIであるゲフィチニブやエルロチニブを使用した場合,既存の化学療法と比べ無増悪生存期間をおよそ2?3倍に延長することが示された3)?6).また,2次治療以降で遺伝子変異陽性NSCLCを対象とした大規模第Ⅲ相試験は行われていないが,初回もしくは2次治療以降を含む変異陽性NSCLCに対しゲフィチニブを使用した第Ⅱ相試験の統合解析では,無増悪生存期間9.7カ月,全生存期間24.3カ月と報告されている7).エルロチニブも初回もしくは2次治療以降の変異陽性NSCLCに対するプロスペクティブ試験において無増悪生存期間14カ月,全生存期間27カ月と報告されており8),これらの結果から,EGFR -TKIはEGFR遺伝子変異陽性NSCLCに対し1次治療を含むいずれかの時点で投与することが望ましいと考えられている.2 EGFR遺伝子変異陰性NSCLCに対するEGFR-TKIEGFR遺伝子変異をもたないNSCLCに対する初回治療としてEGFR -TKIの適応はない.2次治療以降のNSCLCをエルロチニブ投与群とプラセボ投与741046