カレントテラピー 29-11サンプル page 16/32
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特集●肺癌―パラダイムシフトを迎えた肺癌治療投与前投与中-1投与中-2投与後4週図1自己γδT免疫細胞療法の1例原発性肺癌術後肺内転移再発巣について経過中SDを保っていた.なかった.さらにこの期間中,中途中止例....
特集●肺癌―パラダイムシフトを迎えた肺癌治療投与前投与中-1投与中-2投与後4週図1自己γδT免疫細胞療法の1例原発性肺癌術後肺内転移再発巣について経過中SDを保っていた.なかった.さらにこの期間中,中途中止例を除きQOLは良好に保たれ,一定の結果が得られた(図1).Ⅳがんワクチンがんワクチンとはがん細胞に特異的に発現する抗原からなる製剤であり,細胞傷害活性を誘導することを目的とする.1991年にBoonらにより,メラノーマ細胞に特異的なCTLが認識する抗原としてMAGE-1が同定され,抗原特異的な免疫応答を引き起こすがんワクチンの分子基盤が確立された10).がんワクチンの種類1)がん細胞特異的抗原による分類がん細胞に特異的に発現する抗原はエフェクター細胞の標的となりうる.特に重要なものとして,前述のMAGE -1など癌精巣抗原(cancer -testis antigen:CT抗原)が注目されている.さまざまながん組織や正常な精巣胚細胞に発現し,成人正常体細胞には発現しないのが特徴である11).その後MAGE -A3,NY -ESO -1,XAGEなど多数のCT抗原が発見された.CT抗原の遺伝子はX染色体上に存在する12).その他の特異的な肺がん細胞における表肺癌腫瘍抗原に対するワクチン療法臨床研究抗原の種類抗原名Phase癌精巣抗原MAGE-A3Ⅲ癌精巣抗原NY -ESO-1Ⅰ癌胎児抗原CEAⅡ過剰発現抗原MUC -1Ⅲ過剰発現抗原HER2/neuⅡ過剰発現抗原WT -1Ⅰ過剰発現抗原Telomerase(TERT)Ⅰ過剰発現抗原EGFⅢ突然変異抗原p53Ⅱ突然変異抗原k -rasⅡ〔参考文献2)より引用改変〕抗原としては,癌胎児性抗原(CEA)などの分化に関連した抗原,MUC,WT -1などの過剰発現抗原,突然変異抗原のp53,k -rasが知られており,これらの抗原からがんワクチンが作製され治験が行われている(表)2).近年ではマイクロアレイ解析による正常組織と腫瘍組織の遺伝子発現の差を利用し,腫瘍組織で特異的に発現している遺伝子をがん免疫療法の新しい標的分子として候補遺伝子産物であるタンパク質のアミノ酸配列から,アルゴリズムソフト(BIMAS)Current Therapy 2011 Vol.29 No.11 691041