カレントテラピー 29-10 サンプル page 21/32
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(%)50p<0.05(L/分/m 2)2.5p<0.05402301.52011000.5LVEF preLVEF post0CI preCI post図3免疫吸着前後の左室駆出率(LVEF)および心係数(CI)の変化している可能性が示唆された.Ⅵ重症心不全に対する免疫吸着....
(%)50p<0.05(L/分/m 2)2.5p<0.05402301.52011000.5LVEF preLVEF post0CI preCI post図3免疫吸着前後の左室駆出率(LVEF)および心係数(CI)の変化している可能性が示唆された.Ⅵ重症心不全に対する免疫吸着療法の今後の課題と展望IAは高額のため,画一的に重症心不全患者に実施するには医療コスト上の問題がある.治療に対する奏効例,あるいは無効例という観点から考えると,欧米においても,本邦においても,血液浄化療法にて自覚症状やBNP,LVEFなどの臨床指標が急性期や亜急性期から改善する例(奏効例)は5?6割程14度)であり,改善の程度にも個人差がある.そもそもDCMの病因自体が単一因子で説明できるものではなく,たとえ患者の病態の主因が自己免疫に根ざしたものでも,心筋に対する抗体は多彩であり,IA奏効例を予測する因子の同定は重要である.そのため前述した「心抑制性抗心筋自己抗体」測定に関する検討が期待される.治療プロトコールに関しては使用するカラムや間隔など,本邦と欧米のプロトコールとは異なる.引き続き日本人に最適なプロトコールを模索していく必要がある.また,多くのほかの自己免疫疾患と同様に自己抗体が再燃し病態が再度進行するという懸念もある.追加の治療の必要性について,今後の検討が待たれる.Ⅶ重症心不全に対するその他の血液浄化療法本邦では山梨大学にて成人例の治験に加えて小児DCMに対する血漿交換療法が実施されている15).また,透析患者でみられる重症心不全に対するDFPPの報告が香川大学,および昭和大学から報告されている.この2つの治療は,抗体のみならず免疫応答の感作につながっている抗原も除去できるメリットも想定されるが,いまだまとまった数の報告がなく,症例の蓄積が必要である.Ⅷおわりに非薬物的なアプローチによる心不全治療として,IAを中心に血液浄化療法について概説した.いまだこの治療法の効果予測と機序については不明な点が多く,本邦でもさらなる症例の蓄積と有効性の検証が必要である.今後,本治療により重症心不全患者に少なからぬ恩恵が得られるものと期待したい.参考文献1)Wallukat G, Rinke P, Dorfell WV, et al:Removal of autoantibodiesin dilated cardiomyopathy by immunoadsorption. Int JCardiol 54:191-195, 19962)Dorffel WV, Felix SB, Wallukat G, et al:Short -term hemodynamiceffects of immunoadsorption in dilated cardiomyopathy.Circulation 95:1994 -1997, 19973)Felix SB, Staudt A, Dorffel WV, et al:Hemodynamic effectsof immunoadsorption and subsequent immunoglobulin substitutionin dilated cardiomyopathy:three-month results froma randomized study. J Am Coll Cardiol 35:1590-1598, 20004)Muller J, Wallukat G, Dandel M, et al:Immunogloblinadsorption in patients with idiopathic dilated cardiomyopathy.Circulation 101:385 -391, 20005)Dorffel WV, Wallukat G, Dorffel Y, et al:Immunoadsorptionin idiopathic dilated cardiomyopathy, a 3-year follow-up. IntJ Cardiol 97:529-534, 20046)Jahns R, Boivin V, Hein L, et al:Direct evidence for a beta1 -adrenergic receptor -directed autoimmune attack as acause of idiopathic dilated cardiomyopathy. J Clin Invest113:1419 -1429, 20047)Iwata M, Yoshikawa T, Baba A, et al:Autoimmunity against68948