カレントテラピー 29-10 サンプル page 16/32
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特集●心不全の診断と治療―病態の解明から治療法のエビデンスまで(%)8642LVEFの絶対変化p<0.001MRジェット面積の変化(cm 2)1p=0.0090―1―2(mm)20―2LVEDDの変化p<0.0010―3―4―2対照群(n=146)CRT群....
特集●心不全の診断と治療―病態の解明から治療法のエビデンスまで(%)8642LVEFの絶対変化p<0.001MRジェット面積の変化(cm 2)1p=0.0090―1―2(mm)20―2LVEDDの変化p<0.0010―3―4―2対照群(n=146)CRT群(n=155)―4対照群(n=118)CRT群(n=116)―6対照群(n=118)CRT群(n=116)ベースライン(%)22±622±6ベースライン(cm 2)7.2±4.97.6±6.4ベースライン(mm)69±1070±10図4 MIRACLE試験(CRTによる心機能および心形態の改善)〔参考文献9)より引用改変〕効であり,日本におけるCRTのガイドラインはこの結果を基に作成されている.また,近年では軽症心不全に対するCRTの適応を検討した臨床試験の結果も次々と発表されている12)?15).13MADIT -CRT試験)は,NYHA機能分類Ⅰ?Ⅱ度の軽症心不全症状を有する低心機能患者(LVEF30%以下),心電図のQRS幅130msec以上を有する患者を,ICD単独群(n=731)とCRT -ICD群(n=1,089)に分けた無作為比較試験である.CRT -ICD群ではICD単独群に比べ死亡率に有意差はみられなかったものの,心不全イベントが有意に減少し,ICD群に比較して有意なLVEFの改善と左室リバースリモデリングを示した.15またRAFT試験)は,NYHA機能分類Ⅱ?Ⅲ度の心不全症例(QRS幅120msec以上,LVEF 30%以下)をICD群とCRT -ICD群に分け,40カ月の長期にわたりフォローアップした無作為比較試験である.この試験において,NYHA機能分類Ⅱ度の症例でのサブ解析では,死亡と心不全入院の複合エンドポイントのみならず,死亡のみでもCRT -ICD群で有意に良好な結果であった.これらの臨床試験の結果は,軽症心不全症例において早期のCRT-ICDの使用が心不全発症を予防し,予後を改善することを示している.そのため,2010年にはNYHA機能分類Ⅰ?Ⅱ度に対するCRTの適応がヨーロッパ心臓病学会のガイドラインで明記され,また米国では食品医薬品局(FDA)がNYHA機能分類Ⅰ?Ⅱ度に対するCRT -ICDの保険償還を認めている.日本においてはNYHA機能分類Ⅰ?Ⅱ度に対するCRTの臨床データがないためにガイドラインに記されていないが,もうそろそろ真剣な議論がなされる時期であろう.参考文献1)Masoudi FA, Havranek EP, Smith G, et al:Gender, age, andheart failure with preserved left ventricular systolic function.J Am Coll Cardiol 41:217-223, 20032)Aaronson KD, Schwartz JS, Chen TM, et al:Developmentand prospective validation of a clinical index to predict survivalin ambulatory patients referred for cardiac transplantevaluation. Circulation 95:2660-2667, 19973)Baldasseroni S, Opasich C, Gorini M, et al:Left bundle -branch block is associated with increased 1 -year sudden andtotal mortality rate in 5517 outpatients with congestive heartfailure:a report from the Italian network on congestiveheart failure. Am Heart J 143:398 -405, 20024)S h a m i m W , F r a n c i s D P , Y o u s u f u d d i n M , e t a l:Intraventricular conduction delay:a prognostic marker inCurrent Therapy 2011 Vol.29 No.10 43923