カレントテラピー 35-6 サンプル

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Current Therapy 2017 Vol.35 No.6 7509脳卒中リハビリテーションの最近の動向― 障害に対する新たなアプローチ―企画慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室教授里宇明元脳卒中は,日本人の死因の4 位,総患者数の4 位,国民医療費の4 位,高齢者医療費の1 位,要介護原因の1 位を占める疾患であり,国民の健康・福祉,医療経済に与える影響がきわめて大きい.限られた社会資源のなかで,患者の生活機能とQOL を高め,社会の介護負担を軽減するためには,急性期から維持期に至る切れ目のないリハビリテーション体制の整備が不可欠である.従来,わが国では,早期離床が脳循環動態に与える悪影響への懸念から,急性期には安静臥床をとらせるべきという考えが根強く,発症からリハビリテーション開始までの期間は国際標準と比較して長い傾向がみられ,急性期からのリハビリテーションの取り組みは遅れていた.このようななかで,2004年に脳卒中関連5学会が合同で発表した『脳卒中診療ガイドライン2004』において,「廃用症候群を予防し,早期のADL向上と社会復帰を図るために,十分なリスク管理のもとに急性期からの積極的なリハビリテーションを行うことが強く勧められる」と明記されたことを機に,状況が大きく変わりつつある.すなわち,欧米ではすでにその有効性が確立している脳卒中ケアユニットがわが国においても診療報酬制度上に位置付けられ,全身管理,脳障害そのものの軽減のための薬物療法,手術療法と並行して,早期から高密度・高強度のリハビリテーションを提供し,早期離床を図ることの重要性が認識されつつある.急性期以降には,多職種チームによる集中的かつ包括的な回復期リハビリテーションが行われる.わが国では2000年に,診療報酬体系に回復期リハビリテーション病棟が新設され,以後,いくつかの改定を経て量的拡大,質の向上が図られてきた.回復期においては,的確な予後予測と目標設定のもとに,移動・歩行,身の回り動作,嚥下,コミュニケーション,高次脳機能などの障害に対し,最大限の機能回復,日常生活の自立と早期の社会復帰を目指してリハビリテーションが提供される.さらに,回復期リハビリテーションで獲得された機能を可及的長期に維持するために維持期(生活期)リハビリテーションが,主として介護保険での給付により実施される.維持期には,機能の維持,体力増進,社会参加の促進,介護家族の支援が主な課題になるが,近年,脳卒中慢性期においても脳可塑性への適切な働きかけにより機能回復が得られることが明らかになりつつあり,新たな治療法の開発と臨床応用が進められている.以上を踏まえ,本特集では,脳卒中後の主な障害に対するリハビリテーションの最新動向について,各分野のフロントランナーに解説していただいた.読者諸氏の参考になれば幸いである.エディトリアル