カレントテラピー 35-6 サンプル

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Current Therapy 2017 Vol.35 No.6 79代替療法581が遅れてしまった場合や,この3カ月以内に頚部痛が生じている場合,有意に高かったと報告されている4).韓国においても,いくつか論文は散見されている.304人の脳卒中患者の54%にCAMが使用され,その使用者の57%においては効果があると回答していた.また,その効果としては脳卒中の症状の改善(84%),精神的にリラックスする(16%)と述べている.CAMの内容としては東洋医学が最も多く,これは,薬草(herbal products)を用いた療法や鍼治療などがあてはまるとのことであった5).韓国においての脳卒中治療の流れのなかでのCAMの位置づけについての論文では,急性期治療後の時期に西洋医学とCAMを並行して施行することにより,治療効果を維持させ得るとしており,また,ここでのCAMとは,マニュアル,電気,皮内での鍼治療,灸療法,薬草(herbalproducts)を用いた療法,経穴へのポイント注射が含まれている6).カナダでは,脳卒中後のリハビリテーションを行っている者を対象として調査をしているが,その29%が鍼治療を使用していると回答し,16%の者は,脳卒中に関連したコンディションに対して使用していた7).マレーシアでの脳卒中患者におけるCAM使用の調査では,93名中62名においてCAMを使用しており(67%),そのなかでもマッサージが最も頻繁に使用されていた(63.4%).さらに,退院時の機能的状況や重症度については,CAMを用いるとさらに改善がみられると報告している8).以上,海外における脳卒中者へのCAMの使用について説明をした.これらのなかでは,鍼治療が最も多く用いられている傾向がみられ,次いで,薬草(herbalproducts)を用いた療法,マッサージが多い傾向であった.日本の脳卒中者のCAMに関するデータについての詳細は探せなかったが,訪問マッサージをはじめマッサージを受けている者は多い印象がある.さらに,日本においては薬草(herbal products)を用いた療法というよりは,漢方薬処方が各病状に対する治療薬のひとつとして用いられている.例えば,疼痛に対しては芍シャク薬ヤク甘カン草ゾウ湯トウを,いらいらや興奮状態に対しては抑ヨク肝カン散サンを,神経因性膀胱については,牛ゴ車シャ腎ジン気キ丸ガンなどを考慮することは多い.さらに,温泉を利用した痙縮の緩和の効果について報告がある9).Ⅳ 鍼療法に関する報告について前述した文献からCAMの代表的な治療法のひとつとして鍼治療は位置づけられているといってもよいと考えられる.鍼治療についての研究としては,脳卒中による痙縮,構音障害,嚥下障害等に対する効果について報告がみられている.ここでは,脳卒中の嚥下障害に対する報告について述べる.1966~2011年のランダム化比較試験(RCT)の9文献にて,脳卒中の嚥下障害に対する標準的な治療に鍼治療を追加した場合の効果について検討している10).この結果からは,鍼治療を併せて用いることで嚥下障害に対する効果はあがっていた.鍼治療の部位は廉泉(CV23),と風池(GB20)の2カ所に行っており,24~30日間試みている.ただし,これは短期間における効果の判定であり,標準的な治療として鍼治療を推奨するためには,さらに多くのサンプルが必要と考察されている.世界的に使用されているCAMのひとつである鍼治療ではあるが,さらなる臨床研究の結果が待たれる状況である.Ⅴ Mind-body interventions2)米国では62%の者がCAMを使用し,心身療法が一般的な形式となっている.心身療法は,脳,心,身体,動作の関連性に焦点をあて,健康と疾患に対する効果に注目をおいている療法である.その技術の多くはリラクゼーションに関連し,心因的なストレスが原因となる疾患に対する治療の手助けとなり得る.心身へのアプローチとしては,瞑想,リラクゼーション,呼吸法,ヨガ,太極拳,気功,催眠療法,バイオフィードバック,視覚的なイメージ等がある.神経学的疾患において全身の痛み,腰痛,頚部痛,手根管症候群,頭痛,線維筋痛症,多発性硬化症,てんかん,筋機能不全,脳卒中,加齢,パーキンソン病,注意欠陥・多動性障害に関する心身療法が施行さ