カレントテラピー 35-2 サンプル

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Current Therapy 2017 Vol.35 No.2 75173エフェクターT細胞の抗腫瘍免疫応答を抑制することで,免疫系からの攻撃を逃避している.それらの免疫抑制シグナルをブロックすることを目的に開発された抗体医薬品が免疫チェックポイント阻害剤である.免疫チェックポイント阻害剤は,がん微小環境で抑制されていた抗腫瘍免疫応答を抑制状態から解除し,宿主が本来有している抗腫瘍免疫応答を再活性化させ,治療効果を発揮する.2016年12月現在,本邦で承認されている抗CTLA - 4抗体や抗PD - 1抗体以外にも,lymphocyte activation gene - 3(LAG -3),T-cellimmunoglobulin and much domain- 3(Tim-3),T cell immunoglobulin and ITIM domain(TIGIT),Killer cell immunoglobulin-like receptor(KIR)などを標的とした免疫チェックポイント阻害薬の臨床治験が進められている.本稿では,すでに臨床応用が進んでいる抗CTLA - 4 抗体,抗PD - 1抗体とPD - 1のリガンドであるPD -L1阻害剤である抗PD -L1抗体について概説する.1 抗CTLA- 4抗体cytotoxic T lymphocyte-associated antigen- 4(CTLA - 4)は,APC上のCD80 /CD86に高い親和性をもつことから,T細胞の主要な副刺激分子であるCD28を拮抗阻害し,活性化シグナルを抑えることでT細胞の活性化を抑制している.また,CTLA - 4とCD80 /CD86の相互作用により細胞内に誘導されるPP2AやSHP - 2といった脱リン酸化酵素は,CD28シグナルやTCRシグナルの阻害作用を介してT細胞活性化を抑制している1()図2).抗CTLA- 4抗体はこの抑制過程をブロックし,エフェクターT細胞を再活性化させ,抗腫瘍免疫応答を誘導する.また,免疫応答を負に制御している制御性T細胞(regulatory T cell:Treg)にCTLA- 4は恒常的に高発現していることから,抗CTLA - 4抗体は,Tregによる免疫抑制を解除することで抗腫瘍免疫の活性化作用も有している.Tregの免疫抑制にはさまざまなメカニズムが関与しているが,CTLA - 4を介したAPCからのT細胞活性化の抑制が最も重要である.TregMHC TCRKIRLAG-3CD28CTLA-4PD-L1ICOSCD80PD-1CD27HVEMLIGHTCD160BTLACD40L4-1BBOX40GITRTIM-3SLAM2B4CD2TIGITDNAM-1CD86( B7-2)CD80( B7-1)B7-H2PD-L2( B7-DC)PD-L1( B7-H1)CD70LIGHTHVEMCD404-1BBOX40LGITRLGalactin 9SLAMCD48CD58CD155CD112CD113APC T cell---------+++++++++-++-+主刺激・細胞増殖・サイトカイン産生・分化・細胞障害活性・メモリー機能・生存+・細胞増殖阻害・エフェクター機能の阻害・免疫寛容・疲弊・アポトーシス-図1共刺激分子T 細胞へ正(活性化)の刺激と負(抑制)の刺激を伝える共刺激分子とそのリガンド.