カレントテラピー 35-2 サンプル

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46 Current Therapy 2017 Vol.35 No.2144Ⅱ 卵巣がんに対するCTLA-4経路阻害薬卵巣がんに対しては,イピリムマブとtremelimumabの2種類の抗CTLA- 4抗体が試行されている.イピリムマブ(完全ヒト型抗CTLA- 4 IgG1型抗体)は,2003年に悪性黒色腫や肺がんとともに転移のある卵巣がん2 例を対象にした第I 相単回投与試験が行われた.1例はイピリムマブ投与2カ月後から腫瘍マーカーCA125が一時的に低下した.もう1例は投与1カ月で一過性にCA125上昇が止まったがその後急速に増悪した2).さらに2008年に顆粒球マクロファージコロニー刺激因子遺伝子導入腫瘍ワクチン(GVAX)投与歴のあるstageⅣ期の卵巣がん9例を対象にした第I相反復投与試験の結果,初回投与36カ月以上部分奏効(partial response:PR)を認めた1例と,不変(stable disease:SD)3例を認めた.一方でGrade 3の免疫関連有害事象として腸炎による高度下痢を2例に認め,ともにステロイド投与が行われたが,1例は同時にSweet症候群(高度の好中球増加と特徴的な発赤)も認めた3).現在プラチナ感受性卵巣がんに対して第Ⅱ相試験が進行中であるが,後述する抗PD -1抗体薬ニボルマブとの併用療法などが主に行われている(表1).さらにtremelimumab(完全ヒト型抗CTLA - 4IgG2型抗体)は,再発卵巣がんに対するPARP阻害薬olaparibとの併用や卵巣がんを含む固形がんに対する免疫促進型補助シグナルOX40作動薬MEDI6469との併用試験も行われており,イピリムマブ同様,併用療法での有用性が期待されている(表2).Ⅲ 卵巣がんに対するPD-1経路阻害薬卵巣がんに対しては,現在6種類のPD-1経路阻害薬(抗PD-1抗体ニボルマブとペンブロリズマブ,抗PD-L1抗体BMS-936559,avelumab,durvalumab,atezolizumab)が用いられており,単剤だけでなく,標準治療(1次,2次化学療法)やチロシンキナーゼ阻害薬,PARP阻害薬や他の免疫療法などとの併用療法も含め,30種類以上の治験(臨床試験)が米国を中心に世界中で登録されている(表2).1 抗PD-1抗体1992年に京都大学旧医科学研究室本庶教授,石田博士らによって,PD -1分子はT細胞の細胞死刺激により発現が誘導される遺伝子としてクローニングされたが4),その後の岩井博士らによるPD -1欠損マウスを用いたマウス悪性黒色腫モデルでの抗腫瘍効果の証明から数多くの基礎研究を通じて5),6),2006年に米国で初めて,固形腫瘍患者を対象に抗PD -1抗体ニリンパ節チェックポイント①抗原提示がん局所チェックポイント②がん細胞への攻撃B7 CTLA-4PD-1T cellDCT cellPD-L1抗CTLA-4抗体抗PD-1抗体PD-L1 PD-1抗PD-L1抗体J.Hamanishi抗PD-1抗体図1免疫チェックポイントと阻害薬〔参考文献18)より引用改変〕