カレントテラピー 35-1 サンプル

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Current Therapy 2017 Vol.35 No.1 75治療薬解説75定したGFRの有意な改善が認められたと報告された〔2016年5月,協和発酵キリン(株)からの発表による〕.この薬剤は,アルブミン尿の改善効果は認めないことから,従来の薬剤とは異なるメカニズムで腎保護作用を示すと想像され,今後の臨床試験の結果が待たれるところである.Ⅳ GLP-1受容体拮抗薬GLP - 1受容体拮抗薬は,膵β細胞からのインスリン分泌を促進するとともに,α細胞からのグルカゴン分泌を抑制することによって血糖降下作用を示す.一方,GLP - 1受容体は膵臓のみならず全身の多くの臓器に発現しており,GLP- 1受容体作動薬はこれらの受容体に結合して作用を発揮する可能性がある.GLP- 1受容体の発現部位については,必ずしも一致した見解が得られていないが,近年,GLP - 1の血糖降下作用以外の多彩な作用が明らかになり,そのなかには血管拡張作用や抗炎症作用も含まれている.われわれは,エキセナチドが糸球体内皮細胞のICAM - 1の発現を低下させて抗炎症作用を示すことをin vitro で示し,1型糖尿病モデルラットにエキセナチドを投与すると,腎組織の酸化ストレス,炎症,糸球体過剰濾過が改善するとともに,アルブミン尿が抑制され,組織学的障害も抑制されることを報告した.最近発表されたLEADER試験では,リラグルチドの投与によって顕性腎症の発症が抑制されることが明らかにされ,大きな注目を集めている8).本試験では,リラグルチドの投与量がわが国での投与量と異なっているため,この結果をそのままわが国での臨床に当てはめることは難しいかもしれないが,GLP - 1受容体作動薬の腎保護効果がヒトで示された点でインパクトが大きい.Ⅴ ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬アルドステロンはアンジオテンシンⅡの刺激によって副腎から分泌されるため,ACE阻害薬やARBを使用することによって分泌が抑制される.しかしながら,長期間のACE阻害薬やARBの使用により,血中アルドステロン濃度が抑制されなくなる症例が存在する(アルドステロンブレークスルー).このアルドステロンブレークスルーは,MR拮抗薬であるスピロノラクトンの投与により改善でき,アルブミン尿が減少する.しかしながら,ステロイド系MR拮抗薬であるスピロノラクトンやエプレレノンは,高K血症やGFRの低下を引き起こすことが報告され,エプレレノンは中等度以上の腎機能障害では禁忌となっている.一方,ステロイド骨格をもたないMR拮抗薬finerenoneを用いた糖尿病性腎症に対する臨床試験が行われた9),10).本研究では,すでにACE阻害薬またはARBPlacebo 1.25 2.5 5 7.5Finerenone Dosage(mg/d)No. of patients10 15 2094 96 92 98 96 96 123 117Ratio of Day 90 Least Squares Mean UACRto Baseline Least Squares Mean UACR0.51.01.5図2Finerenoneの糖尿病性腎症に対する第2相試験:アルブミン尿の変化〔JAMA. 2015;314(9):884- 894 から引用〕