カレントテラピー 35-1 サンプル

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40 Current Therapy 2017 Vol.35 No.140症例を対象とした予後,合併症,治療に関する観察研究(Japan Diabetic Nephropathy Cohort Study:JDNCS)」24)の登録例において確認した.J -RBRに登録された糖尿病性腎症904例(男性642例,女性262例;平均年齢59.7歳)のうち,解析可能であった604 例の病期は,第1・2期35例(5. 8%),第3期364 例(60.3%),第4期205例(33.9%)であった25).一方,JDNCSに登録された2型糖尿病614例(男性400例,女性214例;平均年齢64.7歳)(2016年3月末時点)のうち,解析可能であった523例の病期は,第1期205例(39.2%),第2期106例(20.3%),第3期86例(16.4%),第4期126例(24.1%)であり,JDNCSにはJ -RBRよりも早期の糖尿病性腎症例が登録されていた26).平成27~29年度日本医療研究開発機構研究費表2 糖尿病性腎症病期分類2014病期尿アルブミン値(mg/gCr)あるいは尿蛋白値(g/gCr) GFR(eGFR)(mL/分/1.73m2)第1 期(腎症前期)正常アルブミン尿(30未満) 30 以上注2第2 期(早期腎症期)微量アルブミン尿(30~299)注3 30 以上第3 期(顕性腎症期)顕性アルブミン尿(300 以上)あるいは持続性蛋白尿(0 . 5 以上) 30 以上注4第4 期(腎不全期)問わない注5 30 未満第5 期(透析療法期)透析療法中注1: 糖尿病性腎症は必ずしも第1期から順次第5期まで進行するものではない.本分類は,厚労省研究班の成績に基づき予後(腎,心血管,総死亡)を勘案した分類である(URL:http://mhlw-grants.niph.go.jp/, Wada T, Haneda M, Furuichi K, Babazono T, Yokoyama H,Iseki K, Araki SI, Ninomiya T, Hara S, Suzuki Y, Iwano M, Kusano E, Moriya T, Satoh H, Nakamura H, Shimizu M, Toyama T,Hara A, Makino H;The Research Group of Diabetic Nephropathy, Ministry of Health, Labour, and Welfare of Japan. Clinicalimpact of albuminuria and glomerular filtration rate on renal and cardiovascular events, and all -cause mortality in Japanesepatients with type 2 diabetes. Clin Exp Nephrol. 2013 Oct 17 .[ Epub ahead of print])注2: GFR 60 mL/ 分/ 1 . 73 m2 未満の症例はCKD に該当し,糖尿病性腎症以外の原因が存在し得るため,他の腎臓病との鑑別診断が必要である.注3:微量アルブミン尿を認めた症例では,糖尿病性腎症早期診断基準に従って鑑別診断を行った上で,早期腎症と診断する.注4: 顕性アルブミン尿の症例では,GFR 60 mL/ 分/ 1 . 73 m2未満からGFR の低下に伴い腎イベント(eGFR の半減,透析導入)が増加するため注意が必要である.注5: GFR 30 mL/ 分/ 1 . 73 m2未満の症例は,尿アルブミン値あるいは尿蛋白値に拘わらず,腎不全期に分類される.しかし,特に正常アルブミン尿・微量アルブミン尿の場合は,糖尿病性腎症以外の腎臓病との鑑別診断が必要である.【重要な注意事項】 本表は糖尿病性腎症の病期分類であり,薬剤使用の目安を示した表ではない.糖尿病治療薬を含む薬剤特に腎排泄性薬剤の使用に当たっては,GFR等を勘案し,各薬剤の添付文書に従った使用が必要である.付表:糖尿病性腎症病期分類2014 とCKD の重症度分類との関係アルブミン尿区分A1 A2 A3尿アルブミン定量正常アルブミン尿微量アルブミン尿顕性アルブミン尿尿アルブミン/Cr 比(mg/gCr) 30 未満30 - 299 300 以上(尿蛋白定量) (もしくは高度蛋白尿)(尿蛋白/Cr比)(g/gCr) (0 . 50 以上)GFR 区分(mL/分/ 1 . 73 m2)9060~8945~5930~4415~29<15(透析療法中)第1 期(腎症前期)第2 期(早期腎症期)第3 期(顕性腎症期)第4 期(腎不全期)第5 期(透析療法期)〔参考文献20)より引用〕