カレントテラピー 34-7 サンプル

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Current Therapy 2016 Vol.34 No.7 962720.8%,女性で12.8%で,エタノール20g/日以上の飲酒歴を有する脂肪肝症例の頻度は男性で16.1%,女性で0.9%と,女性ではアルコール性脂肪肝がきわめて少ないことが改めて認識された4).日本人間ドック学会での集計では,検診を受診した成人で肝障害を呈した頻度は全体の約30%,性別では男性で30歳代から70歳台までほぼ変わらず40%程度,女性では若年層で15%程度,閉経後に急増し約30%程度とされ,アルコール性やウイルス性肝炎,自己免疫性肝疾患などを除外して,わが国の成人では男性の約30%,女性の約20%がNAFLDを合併し,NASHはその15~20%として男女とも罹患率1~6%程度と推計されている5).同様に,8,000名以上の健診受診者を対象とした大規模疫学調査でも,NAFLDの有病率は約30%と報告された2).2 肥満とNAFLD/NASHNAFLD/NASHは肥満との関連がきわめて強いことが報告されている.前述のように,わが国では近年,食習慣の欧米化(脂肪摂取量の増加),運動量の低下などのライフスタイルの変化により,肥満人口が急激に増加している1).図2にわが国における肥満者(body mass index:BMI 25kg/m2以上)の性別・年次別割合を示す.最近15年の肥満者全体の割合は,男性では増加傾向にあり,女性ではほぼ一定から低下傾向に転じた6).肥満者の年齢の年次推移に関して,男性は一貫して40~50歳代にピークがあり,女性では肥満者の高齢化が認められる(図3)6).肥満はメタボリック症候群の主要症候であり,その肝病変であるNAFLD/NASHの最も重要な危険因子と考えられる.肥満とNAFLD/NASHの合併率に関して,BMI 23kg/m2未満の非肥満者における合併率は10%以下であるが,BMI増加に伴って増加し,BMI30kg/m2以上の高度肥満者では約80%と報告されている(図4)2).また,内臓脂肪蓄積を反映する腹囲と脂肪肝合併頻度の関連の検討でも,腹囲増加に伴い脂肪肝を合併するリスクが増加することが報告されており,内臓肥満がNAFLD/NASHと密接に関与していることは明らかである1).3 糖尿病・糖代謝異常とNAFLD/NASHNAFLD/NASHの基盤となる病態として,インスリン抵抗性は最も重要とされる.インスリン抵抗性は,2型糖尿病をはじめとする糖代謝異常に繋がり,肝細胞内に中性脂肪沈着をきたし,インスリン抵抗性がさらに増悪する2).NAFLD/NASHの病態と非常に密接にかかわるインスリン抵抗性の有無・程度の評価に関する指標として広く用いられるのがインスリン抵抗性指数(homeostasis model assessmentinsulinresistance:HOMA -IR)である.HOMA -IRは,12時間絶食後血糖値(mg/dL)×血中インスリン濃度(μU/mL)/ 405という数式で簡便に算出でき,空腹時血糖値が140mg/dL以下の場合には,さらに正確な評価法であるグルコースクランプ法でのインスリン抵抗性と非常に高い相関を示す.HOMAIR<1.6の場合はインスリン抵抗性なしと考えられ,>2.5の場合は明らかなインスリン抵抗性ありと評価される2).NAFLD/NASHにおいては明らかな2型糖尿病と診断されない段階から,約90%以上の症例でインスリン抵抗性を有するとの報告がある3).4 わが国のNAFLD/NASHにおける肥満・生活習慣病の合併と性・年齢わが国のNAFLD/NASHにおけるメタボリックシンドロームの診断基準に基づく合併率は,脂質異常症はNAFLD 50%/NASH 60%,高血圧30%/60%,空腹時高血糖30%/40%,75gブドウ糖負荷試験で糖尿病型か耐糖能異常(impaired glucose tolerance:IGT)70%/70%,メタボリックシンドローム40%/50%と報告された2).複数の大規模コホート研究から,NAFLD患者数の増加とメタボリックシンドローム患者数の増5~10年後肝硬変10~20%NASH10~20%単純脂肪肝図1 非アルコール性脂肪肝の分類〔参考文献2)より引用改変〕