カレントテラピー 33-11 サンプル

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カレントテラピー 33-11 サンプル

Current Therapy 2015 Vol.33 No.11 69治療薬解説1119Pardoll博士らはこのPD - 1/PD -L1間において,腫瘍に発現するPD -L 1 とT 細胞上のPD - 1の関係が特に重要であり,元々恒常的に腫瘍に発現しているPD -L1からの免疫学的逃避機構をInnate Resistance,活性化したT細胞が産生するインターフェロン(IFN)-γによりSTATシグナルを通じ発現が惹起され誘導されたPD -L1発現によるT細胞上のPD - 1を介した免疫逃避機構をadaptive resistanceと表現している.抗原提示細胞からもPD -L1は発現しているが,理論的背景と近年の臨床的効果より抗PD - 1抗体療法の有効性に主に影響を与えるのは活性化したT細胞が腫瘍の表層に浸潤した部位(invasive front)において腫瘍から発現するPD -L1であり,とりわけT細胞からのIFN - γ産生による先に述べたadaptiveresistanceが重要と考えられ盛んにこの部分の研究が進んでいる(図3)9).Ⅵ 抗PD-1抗体療法の開発の歴史免疫チェックポイント阻害剤による免疫療法の開腫瘍抗PD-1抗体投与が有効な場合があるPD-L1PD-L1PD-L1抗PD-1抗体投与が無効がん細胞がん細胞がん細胞活性化した腫瘍浸潤活性化したT細胞腫瘍浸潤T細胞IFN-γ産生Invasive Frontで起こる!T細胞浸潤無しT細胞浸潤無しがん細胞がん細胞がん細胞図3Invasive frontにおけるPD-L1の発現抗原提示細胞あるいは癌細胞などMHC TCR ITAMSHP-2PD-L1 PD-1 ITIM脱リン酸化Tリンパ球チロシンリン酸化の解除図2PD-1のTリンパ球における抑制系メカニズム