カレントテラピー 32-5 サンプル

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Current Therapy 2014 Vol.32 No.5 7421関節リウマチ― 診断と治療の進歩―企画慶應義塾大学医学部リウマチ内科教授竹内 勤関節リウマチ(Rheumatoid Arthritis:RA)を特徴づける関節破壊は,早期に急速に進行すること,関節破壊による身体機能障害は不可逆的で,早期の関節破壊進行を抑止することが中長期的な身体機能悪化を防ぐうえで重要であることが,広く認識されるようになった.その治療は,きわめて有効性の高い薬剤の登場,生物測定学の充実,薬物治療戦略の理解を深める臨床研究,などによってパラダイムシフトとも呼ばれる程の大きな進展を見せてきた.早期診断,そして早期からの積極的治療介入がRAの機能的予後改善に必須であるという認識である.RAの診断は,2010年に,23年ぶりの分類基準の改訂がなされ早期診断が行いやすくなった.臨床医学的研究手法はますます洗練されてきており,この30年間で,疾患活動性,関節破壊の統一された評価法が確立された.関節炎に特化した日常機能を評価するHealth AssessmentQuestionnaire-Disability Index(HAQ-DI)も広く用いられ,今日に至っている.これらの評価は,臨床的,構造的,機能的観点からRAの病態を反映する指標として使用されている.治療では,Treat to Target(T2T)コンセプト,すなわち『目標達成に向けた』治療戦略が世界的に認識されるようになり,臨床的寛解を目指した治療が現実的なものとなってきた.このような進歩の原動力は,メトトレキサートに代表される強力な抗リウマチ薬と生物学的製剤を中心とした優れた治療薬の導入であった.日本においても,生物学的製剤に関するエビデンスは数多く積み重ねられてきた.臨床的効果を最大化するための工夫,重篤感染症に対するリスク評価とマネジメント,導入タイミング,臨床的寛解,構造的寛解,機能的寛解と関連する要因,バイオフリー寛解の可能性など,日本から世界に向けて発信された情報は数知れない.RA診療に関する進歩は,留まるところなく前進している.本特集では,最新エビデンスを各領域のエキスパートにご執筆いただいた.皆様の日常診療にお役立ていただければ幸いである.エディトリアル