カレントテラピー 32-5 サンプル

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Current Therapy 2014 Vol.32 No.5 41455Ⅰ はじめに関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)の薬物療法は,疾患修飾性抗リウマチ薬(disease modifyinganti-rheumatic drugs:DMARDs)が中心的な役割を担っている.DMARDsは疾患活動性をコントロールし,機能障害や骨破壊の抑制,および生活の質(quality of life:QOL)の改善効果を期待できる薬剤である.またDMARDsは,合成DMARDs(synthetic DMARDs:sDMARDs)と生物学的DMARDs(biological DMARDs:bDMARDs),に大別される.sDMARDsは,さらにメトトレキサート(MTX)やサラゾスルファピリジン(SASP)などの従来型合成DMARDs(conventional syntheticDMARDs:csDMARDs)と,トファシチニブの分子標的型合成DMARDsに分類される.本稿では,csDMARDsについて解説する.Ⅱ csDMARDsについてcsDMARDsの特徴としては,効果減弱や,レスポンダーとノンレスポンダーが存在し,効果発現まで遅効性で2~3カ月を要する場合が多いことが挙げられる.また,一般的に副作用発現頻度が高く,20~50%とされている.DMARDs治療は,欧州リウマチ学会の勧告では早期から開始し,寛解や低疾患活動性を治療目標とし,治療開始後3カ月までに改善が得られていない場合は,治療の見直しを勧めている.その際のDMARDsの第一選択薬は,MTXが推奨されている1).本邦でConventional syntheticDMARDsについて設楽久美*1・中島亜矢子*2・山中 寿*3関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)は治療薬の進歩により,臨床的寛解を治療目標に掲げることが可能となった.さらには,構造的寛解や機能的寛解をも期待できるまでになった.その治療の中心的薬剤に疾患修飾性抗リウマチ薬(disease modifying anti-rheumatic drugs:DMARDs)が位置づけられている.なかでもconventional synthetic DMARDsに分類されるDMARDsは,RAの治療の中核を長年にわたり担ってきた薬剤である.RAの診断がつき次第これらのDMARDsによる治療を開始し,3カ月以内に有用性が得られない症例にはDMARDsの変更や追加を検討する.またDMARDsは,患者背景と個々の薬剤の特性を理解し選択し,第一選択薬にはアンカードラッグであるメトトレキサートの投与を検討する.投与開始後は,定期的なモニタリングをし,患者へは副作用の前駆症状などを含めて服薬指導を十分に行い,副作用出現時は,薬剤の減量や中止など適切な治療を行う.*1 東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター助教*2 東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター准教授*3 東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター教授・所長関節リウマチ―診断と治療の進歩