カレントテラピー 32-5 サンプル

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28 Current Therapy 2014 Vol.32 No.5442総合的疾患活動性指標の利用は不可欠である1).しかし,DAS28, SDAI, CDAIの指標はよく相関する反面,症例によっては寛解や低疾患活動性の定義を満足するかどうかが,どの指標を用いるかに依存する.Aletahaらの報告によると,2,754名のRA患者でDAS28, SDAI, CDAIの相関を検証した結果,いずれの組み合わせでもr≧0.8,k≧0.5の高い相関率が示された(図3上)が,疾患活動性カテゴリで検討すると,DAS28とSDAI/CDAIで比較した場合,同一カテゴリに入るのは約6割であり,約3割は1段階の差が,1%前後は2段階の差があった(図3下)8).Boolean寛解基準ではより厳しく寛解が判定され,当院における1,402名の検討では,136名(9.7%)はDAS28, SDAI, CDAIいずれでも寛解基準を満たすがBoolean寛解基準は満足しなかった9).そのため,どの基準を用いた寛解,あるいは低疾患活動性であるかを認識しながら,基準を活用する必要がある.SDAI,CDAIは寛解基準としてはDAS28よりも厳しいが,低疾患活動性を判定する際には甘くなる可能性が指摘されている.図4は当院におけるRAの疾患活動性割合を示した図であるが,低疾患活動性の患者群はSDAI, CDAIではDAS28よりも幅が広く,代替目標として低疾患活動性を目指して治療をする際に不十分となる可能性がある.Boolean寛解基準は非常に厳格な基準であるが,逆に4項目中3項目を満たすnear miss症例の特徴をみると患者全般評価が理由となっていることが多い点が指摘されている11).患者全般評価は,腰痛や精神状態などの関節炎以外の要素が大きく関わることが報告されており12),13),RAとしての疾患活動性を90SDAI807060504030201000 10 20同じ疾患活動性 90.4%1段階異なる疾患活動性 9.5%2段階異なる疾患活動性 0.1%30 40 50CDAISDAI vs. CDAIr=0.88k=0.9160 709.0DAS288.07.06.05.04.03.02.01.000 10 20 30 40 50SDAIDAS28 vs. SDAIr=0.89k=0.8760 709.0DAS288.07.06.05.04.03.02.01.000 10 20同じ疾患活動性 63.3%1段階異なる疾患活動性 35.5%2段階異なる疾患活動性 1.2%30 40 50CDAIDAS28 vs. CDAIr=0.87k=0.5480 80 60 70 80同じ疾患活動性 66.9%1段階異なる疾患活動性 32.2%2段階異なる疾患活動性 0.9%図3 各総合的疾患活動性指標の相関〔参考文献8)より引用改変〕高疾患活動性中等度疾患活動性低疾患活動性寛解DAS28 SDAI CDAI100%90%80%70%60%50%40%30%20%10%0%46.6 45.9 41.022.038.541.227.613.1 14.83.8 2.5 2.9図4 慶應大学病院通院中患者の疾患活動性割合