カレントテラピー 32-2 サンプル

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66 Current Therapy 2014 Vol.32 No.2166これらの重要な機能を確実に遅滞なく実施していくためには,これまで長年にわたって培ってきた各領域学会の経験と実績を組織のなかに取り入れていくことが必要不可欠である.そのためには後述するように新機構に各診療領域の“ボード”あるいは“認定・更新委員会”,“研修施設評価委員会”等を設けてこれまで各学会でその作業にあたってきた先生方の協力を仰ぐ必要がある.これらのボードは19基本診療領域と29サブスペシャルティ領域をカバーすることになる.これらの2つの機能は,第三者機関のもつべき機能として基本的,かつ不可欠なものであるが,それ以外に第三者機関が備えるべき機能としては,今後新たに認定される,あるいは整理されるべき専門医制度の議論を行う“ボード新設検討委員会(仮称)”の設置である.医療の変遷を考えるとき,時代の要請で専門医制度の改廃を行い,柔軟に対処することは重要と考える.厚生労働省検討会の最終報告を受けて,現在,第三者機関の組織としてのあり方についての作業が進行している.日本医学会,日本医師会,4病院団体協議会,全国医学部長病院長会議,専認構の代表が集まり,検討会の座長を務めた髙久史麿日本医学会会長の下でどのような手続きで作業を進めるかが話し合われた結果,金澤一郎検討会副座長に準備委員長になっていただき,その下に5委員会を設けて作業を進めることになった.それらの委員会は,定款委員会,役員選考委員会,財務委員会,総務・広報委員会,総合診療専門医に関する委員会であり,2013年度中の第三者機関(日本専門医機構)設立を目指して議論を深めている.日本専門医機構の組織図(案)は,図2のとおりである.厚生労働省検討会の最終報告書にも明記されたように,この組織は専門家集団としての医師がプロフェショナルオートノミーのもとに構築されるべきものであり,患者の視点に立ち,専門医の質の一層の向上を目指して構築されなければならない.この組織とは別に,日本専門医機構が本来の目的に沿って運営されているかどうかを監視する外部機関の存在も必要であり,患者団体,マスメディア代表をはじめその他有識者で組織される外部委員会も設置されることになる.Ⅴ おわりに長年の懸案であった専門医制度改革の議論も最終の仕上げの段階に差しかかっており,中立的第三者機関(日本専門医機構)の設立とともに新しい制度に移行していくことになる.現時点のタイムスケジュールとしては,2014~2015年にかけてそれぞれの診療領域でモデルとなる研修プログラムを完成させた後,2016年に初期臨床研修2年目の医師にそのプログラムを提示し,2017年から新制度に則った後期専門医研修が開始できる準備を進めてもらうという考えである(表1).これらのすべての仕事が順調に進み,新たな専門医制度が一刻も早く軌道に乗ることを心より希望している.平成25年(2013) 中立的第三者機関設立平成26年~27年(2014~2015)専門医認定・更新基準,研修プログラム・研修施設整備指針に基づき研修プログラム策定平成28年(2016) 臨床研修医(2年目)への研修プログラムの提示平成29年(2017) 新制度による後期研修開始平成32年~33年(2020~2021) 新制度の専門医認定表1新しい専門医制度実施へのタイムスケジュール