カレントテラピー 32-10 サンプル

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76 Current Therapy 2014 Vol.32 No.101024まな骨粗鬆症治療薬でBKP後の椎体骨折の予防が可能である,というエビデンスが報告されることが期待される.後壁損傷があり,そのために神経症状をきたした症例に対しては,まず骨折した椎体にHAによる椎体形成術を行う10).加えて脊柱管内への骨片突出の程度によって椎弓切除術による後方除圧,さらに2 above+1 belowの後方固定術を行っている.椎体形成術を行う理由は,椎体骨折によって破壊された前方支柱を少しでも再建するためである.また,後方固定はその補強である.時に除圧操作の際,骨折した椎体の後壁を前方へ打ち込むこともある.術後結果は,ほとんどの例で腰痛や下肢痛の軽快が得られていた(図4).したがって脊柱管内骨片の大きさにもよるが,後方からの除圧でもある程度の効果を得ることは可能であると考えている.一方,術後の問題点としては固定術後の隣接椎間障害の問題が挙げられる.また椎体形成術(vertebroplasty)によって椎体高が再建されても,骨折した椎体が経時的に再び高さを減じることがある.このときには椎体内に挿入したHAと残存骨片の不安定性が起こっていることや,screw looseningが起こっていることが多い.著しく悪化した脊柱アライメントにより臨床症状を呈している患者には,vertebroplastyでは効果が少ないため,後方骨切り術や前方椎体置換術が施行A B CD E図274歳,男性.パーキンソン病の既往あり.L5椎体骨折に対してBKPを施行.A:術後6カ月のX線側面像B:CT sagittal像C:CT frontal像.骨セメントは周囲とは固着せず椎体前方が後方部分と離解して不安定になっている.D:L5前方置換術+L2-S1後方術後,X線正面像E:同手術後X線側面像.Salvage手術としてL5椎体を前方より亜全摘して,インストゥルメントを用いて後方固定を行った.