カレントテラピー 32-1 サンプル

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10 Current Therapy 2014 Vol.32 No.110パンデミックインフルエンザとほぼ同等になり,その後は減少が続いた.季節性インフルエンザの患者年齢分布は,幼児学童に多く年齢とともに減少する傾向にあるが,2012/13シーズン(2013年第10週まで)では,各年齢群の累積の推計受診者数は5~9歳約182万人,30歳代約151万人,10~14歳約138万人,0~4歳約137万人,40歳代約131万人,20歳代約116万人の順であった.なお70歳以上は約79万人であり,2011/12シーズンの同時期の累積の推計受診者数(約60万人)(以上すべて暫定値)を上回っている.国内の地域によって,流行の発生・収束について時間的なずれ,規模の大小などに若干の差があるものの,全体的には同じ流れにあるといってよい.しかし近年,沖縄はその点ユニークな状態にあり,これまでにも夏季でのインフルエンザの発生がしばしばみられていることに加えて,2010/11シーズンの春先での流行,さらには2011/12の夏での流行的発生がみられているが,その理由はまだ明らかとはなっていない.Ⅲ インフルエンザによる入院患者の報告数基幹病院定点から報告されたインフルエンザによる入院患者数は,2012/13シーズン(2012年第36週~2013年第10週まで)の累積報告数は8,732人,年齢群別内訳は,80歳以上2,776人(31.8%),0~4歳1,693人(19.4%),70歳代1,607人(18.4%),60歳代812人(9.3%),5~9歳629人(7.2%)の順である.入院患者数のピークは,80歳以上の高齢者であり,60歳以上と9歳以下の入院例が全体の86.1%を占めている(図2).なお,本報告から患者の予後は不明である.基幹病院定点から入院患者数が報告されるようになったのは2011/12シーズンから開始されたばかりのものであり過去との比較ができないが,2011/12シーズンと2012/13シーズンの状況に大きな変化はない.Ⅳ インフルエンザ脳症の報告数インフルエンザの重篤な合併症であるインフルエンザ脳症は,感染症法4類感染症の急性脳炎の一部として,診断したすべての医師に届け出が求められている.2009年のパンデミック時には,それまでのインフルエンザシーズンを上回る285例の急性脳症の報告数の増加があったが,その後は再び100例前後の報告となっている.2012/13シーズン(2013年第10週まで)は55例が報告されている.インフルエンザ脳症は幼児に多い疾患であるが,パンデミック時にはその年齢分布は上昇傾向がみられたものの,その後は再びこれまでと同様の年齢分布になってきた.ただし最近は高齢者での報告もみられるように0~4歳5~9歳10~14歳15~19歳20~29歳30~39歳40~49歳50~59歳60~69歳70~79歳80歳以上19.4%7.2%2.8%3.9%9.3%18.4%31.8%0.8%1.6%2.4%2.4%n=8,732図2インフルエンザ入院患者の累積報告数の年齢群別割合(基幹定点からの報告)(2012年第36週~2013年第10週)(http://www.nih.go.jp/niid/images/idwr/douko/2013d/img10/chumoku04.gif)