カレントテラピー 32-1 サンプル

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8 Current Therapy 2014 Vol.32 No.18Ⅰ はじめにわが国のインフルエンザは,毎年11月下旬~12月上旬頃に発生が始まり,翌年の1~3月頃にその数が増加し,4~5月にかけて減少していくというのが通常のパターンである.流行期に入る前の流行の規模,主流となるインフルエンザウイルスの型などの予測は,医療関係者のみならず社会的な関心事でもあるが,いろいろな要素が複雑に絡み合うため現在のところ正確な予測は困難である.しかし流行が小規模であっても1シーズン数百万人,大きければ千数百万人を超える患者が短時日に発生し,基本的には自然に回復するものの母数が増えれば重症者数・死亡者数も増えてくるので,規模の大小にかかわることなくインフルエンザに対する一定の警戒と備えは必要である.そのためには流行状況を常に把握できるようにしておくことが重要である.Ⅱ インフルエンザ患者の発生動向わが国においてインフルエンザは,感染症法による5類疾病に定められており,全国約5,000カ所のインフルエンザ定点医療機関(内科定点2,000カ所,小児科定点3,000カ所,計5,000カ所)からインフルエンザ患者の発生が週ごとに地域の保健所に報告され,保健所から管轄自治体,自治体から国(厚生労働省)に伝達される.地域のデータは地域ごとに,国全体のデータとしては国立感染症研究所感染症疫インフルエンザの流行状況を知る岡部信彦*インフルエンザは小規模であっても1シーズン数百万人,大きければ千数百万人を超える患者が短時日に発生するので,インフルエンザに対する一定の警戒と備えは必要であり,流行状況を常に把握できるようにしておくことが重要である.わが国では,感染症に基づいて全国約5,000カ所のインフルエンザ定点医療機関より,患者発生状況が毎週届けられている.定点の約10%が検体を地方衛生研究所に提供し,そこでウイルスの検出および分析が行われ,流行ウイルスの把握,次シーズンのワクチン株選定のためのデータ,薬剤耐性ウイルスの検出頻度,などの情報が得られている.これらの成績を地域は地域ごとに,全国データとして国立感染症研究所がまとめている.これらの情報は世界保健機関(WHO)に提供され,世界のインフルエンザデータの一端となっている.本文ではインフルエンザの流行状況の把握について,その他のインフルエンザサーベイランスを含めて述べた.なお,これらのデータは,全国の医療機関,保健所,地方衛生研究所,自治体,そして国との連携によってできあがっている.* 川崎市健康安全研究所所長インフルエンザ診断と治療の最前線―抗インフルエンザ薬の時代を迎えて