カレントテラピー 32-1 サンプル

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Current Therapy 2014 Vol.32 No.1 71治療薬解説71でも現実的には主治医の判断で使用されることがある.またペラミビルは1歳未満でも使用可能である.1~4歳は吸入薬の使用が困難なため,事実上,内服のオセルタミビルが第一選択薬となっている.5~10歳位の年齢ではオセルタミビル,ザナミビル,ラニナミビルのなかから吸入可能かどうかも見極めたうえで薬剤が選択されることが多い.前述のように10代はオセルタミビルの使用が困難なため吸入薬のザナミビルとラニナミビルが中心となっており,ペラミビルも選択される.20歳以上ではいずれの薬剤も使用可能であるが,内服も吸入も困難な患者ではペラミビルが適している.一方,入院例や重症例ではペラミビルがよく使用されており,特に肺炎等では吸入薬よりもペラミビルまたはオセルタミビルの使用が推奨されている20).Ⅶ おわりにNA阻害薬について,使用の変遷や方法,現状における有効性・安全性や各論,薬剤の選択などについて解説した.今後もインフルエンザ治療においてNA阻害薬の果たす役割はきわめて大きいが,一方で耐性化や新しいウイルスの出現などにも目が離せない状況にあることを書き添えて本稿を終わりたい.参考文献1) von Itzstein M, Wu WY, Kok GB, et al:Rational design ofpotent sialidase-based inhibitors of influenza virus replication.Nature 363:418-423, 19932) 柏木征三郎,工藤翔二,渡辺 彰ほか:インフルエンザウイルス感染症に対するリン酸オセルタミビルの有効性および安全性の検討―プラセボを対照とした第Ⅲ相二重盲検並行群間比較試験成績―.感染症誌 74:1044-1061, 20003) Kohno S, Yen MY, Cheong HJ, et al;S-021812 Clinical StudyGroup:PhaseⅢRandomized, Double-Blind Study ComparingSingle-Dose Intravenous Peramivir with Oral Oseltamivir inPatients with Seasonal Influenza Virus Infection. AntimicrobH1N1型H275Y変異型ソ連型pdm型H3N2型ザナミビルオセルタミビル(時間)05030402010(時間)04020301049.1(77)32.8 32.0(79)2003-04~2007-08 2008-09 2009-10 2010-11(70) 27.5(87)29(177)35.2(193)33.7(31)(※)2003-08 2008-09 2009-10 2010-11 2011-12(※)流行なし30.1(28)23.0(149)26.9(212)26.5(30)32.0(36)33.0(22) 27.7(80)27.5(71)29.6(59)ザナミビルオセルタミビル平均値(n)解熱時間解熱時間図3 A亜型におけるオセルタミビルおよびザナミビルの解熱時間の経年推移〔参考文献6),12),13),15),16)より引用改変〕