カレントテラピー 31-5 サンプル

カレントテラピー 31-5 サンプル page 8/28

電子ブックを開く

このページは カレントテラピー 31-5 サンプル の電子ブックに掲載されている8ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
カレントテラピー 31-5 サンプル

Current Therapy 2013 Vol.31 No.5 11COPDの病因と病態465Ⅴ なぜCOPDは慢性化するのかCOPDの炎症が禁煙後も持続する機序として,自己免疫反応や慢性気道感染の関与も考えられているが結論は出ていない.最近ではたばこ煙による細胞老化が慢性炎症に関与する可能性が指摘されている.COPDの肺胞上皮細胞,血管内皮細胞,線維芽細胞では,テロメア短縮とオキシダント障害による細胞老化が生じている18).老化細胞ではDNA damageresponse(DDR)が引き起こされ,老化関連分泌形質(senescence -associated secretory phenotype:SASP)の誘導により炎症性サイトカインが産生される19).炎症性サイトカインはオートクリン的に老化細胞自身に作用してSASPを強化し,炎症性サイトカインの産生を強めるポジティブフィード炎症オキシダントDNA障害老化炎症性サイトカインアポトーシスDNA修復悪循環たばこ煙danger signal図2COPDにおける炎症の悪循環の形成What● たばこが不完全燃焼した微粒子Why● 高齢者の疾患責任遺伝子は自然淘汰されにくい● 遺伝子の拮抗的多面効果作用How● Danger signal→気腫化と線維化,Wnt/β-catenin● 機械的ストレス→気腫化の進行,拡大● DNA障害,細胞老化→炎症の慢性化図3COPDの発症機序のまとめなにが(What),なぜ(Why),どのようにして(How)COPDを起こすのか.