カレントテラピー 31-5 サンプル

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Current Therapy 2013 Vol.31 No.5 41495物治療および管理のコンセプトと,治療の展望について概略を述べる.各治療・管理方法の詳細については他稿を参照されたい.Ⅱ 気管支拡張薬を中心とした現在のCOPD薬物治療COPDの治療は呼吸機能の改善のみならず,症状改善,リスク低減がカギとなる.それを可能とするCOPD安定期の薬物治療の中心は長時間作用型吸入気管支拡張薬である.長時間作用型吸入気管支拡張薬の効果は気管支拡張作用に限らず,肺過膨張の是正,運動耐容能の改善,労作時呼吸困難の軽減3),QOLの改善も示されている.単剤で効果が不十分な場合には,単剤増量よりも多剤併用が効果的であるとされる.さらに最近実施されたTORCH study4)やUPLIFT Study5)では,増悪頻度の抑制,肺機能の経年変化の抑制,生命予後の改善が示され,長時間作用型吸入気管支拡張薬によりCOPDが患者に与えるリスクを低減するということが示されている.また,増悪頻度が高い患者では肺機能やQOLの低下,生命予後悪化がみられることが示されている6).安定期COPDにおける治療薬の吸入薬の選択にあたっては,「症状を軽減する薬剤」と「増悪を抑制する薬剤」を意識することが必要であるといえる.また,長時間作用型吸入気管支拡張薬選択の優先順位にも変化がみられつつある.これまでCOPDはアセチルコリン優位の疾患であると考えられ,サルメテロールと比較したチオトロピウムの優位性を示す報告7)はそれを裏づけるものともいえる.しかし最近では,インダカテロールがチオトロピウムと同等の気管支拡張効果を示しただけではなく自覚症状も改善を示した報告8)がみられるなど,第一選択薬としての長時間作用型吸入β2刺激薬(long -acting管理法外科療法換気補助療法酸素療法吸入用ステロイドの追加(繰り返す増悪)長時間作用性抗コリン薬・β2刺激薬の併用(テオフィリンの追加)長時間作用性抗コリン薬(または長時間作用性β2刺激薬)必要に応じて短時間作用性気管支拡張薬禁煙・インフルエンザワクチン・全身併存症の管理呼吸困難・運動能力の低下・繰り返す増悪症状の程度FEV1の低下喫煙習慣軽症→ 重症Ⅰ期Ⅱ期Ⅲ期Ⅳ期呼吸リハビリテーション(患者教育・運動療法・栄養管理)管理目安疾患の進行→ → → → → → → →図1安定期COPDの管理方法〔参考文献2)より引用改変〕RiskGOLD Classification of Airflow Limitation4321210RiskExacerbation historymMRC 0 ~ 1CAT<10mMRC2CAT10Symptoms(mMRC or CAT スコア)(A)(C) (D)(B)図2 呼吸機能,症状と治療に基づいたCOPD管理指標〔参考文献1)より引用改変〕