カレントテラピー 31-3サンプル

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治療薬解説ダビガトラン※150mg×2回/日ダビガトラン※110mg×2回/日リバーロキサバン20mg/日アピキサバン※5mg×2回/日HR(95%CI)p値0.76(0.59~0.97)0.031.11(0.88~1.39)0.350.94(0.75~1.17)0.5810.92(....

治療薬解説ダビガトラン※150mg×2回/日ダビガトラン※110mg×2回/日リバーロキサバン20mg/日アピキサバン※5mg×2回/日HR(95%CI)p値0.76(0.59~0.97)0.031.11(0.88~1.39)0.350.94(0.75~1.17)0.5810.92(0.74~1.13)0.420.501.001.50新規経口抗凝固薬がよいワルファリンがよい※鑑別不能の脳卒中を含む図4虚血性脳梗塞における新規経口抗凝固薬とワルファリンの比較〔参考文献3)~6)より引用改変〕ダビガトラン150mg×2回/日ダビガトラン110mg×2回/日HR(95%CI)p値0.26(0.14~0.49)<0.0010.31(0.17~0.56)<0.001リバーロキサバン20mg/日0.59(0.37~0.93)0.024アピキサバン5mg×2回/日0.501.001.50新規経口抗凝固薬がよいワルファリンがよい0.51(0.35~0.75)<0.001図5出血性脳梗塞における新規経口抗凝固薬とワルファリンの比較〔参考文献3)~6)より引用改変〕リアランス,検血チェックを行い高度腎機能障害の患者には使用しないこと,貧血の出現時には消化管出血などを疑い精査加療することが必要である.ダビガトランでは特に消化管出血,特に下部消化管出血がワルファリンに比べて多いことがRE -LYサブ解析で示された.しかし,2012年9月,アジア太平洋脳卒中会議(APSC)で発表されたアジア人サブ解析では,ワルファリンに比べて消化管出血は増加しないことが明らかとなった(論文未発表).3新しい経口抗凝固薬の比較現在論文発表されている3剤のアウトカム比3)~6較)を示す.いずれの薬剤も試験の主要評価項目は脳卒中または全身性塞栓症であるが,対象となるAF患者のリスク,ワルファリン群のコントロールの程度,用量調整の基準などが試験により異なるため,正確な比較とはいえないことを理解しておく必要がある.このなかで,虚血性脳梗塞のみを取り出すと図4のようにダビガトラン300mg/日でワルファリンより有意に少ないものの,ダビガトラン220mg/日,リバーロキサバン,アピキサバンではワルファリンと同等である.一方,脳出血についてはいずれの薬剤もワルファリンよりも有意に少ないことがわかる(図5).脳出血が少ない理由として,凝固カスケードの最初の作用点である第Ⅶ因子が減少しないことが挙げられる.ワルファリンでは第Ⅶ因子の減少により組織因子との反応が低下しているが,新しい経口抗凝固薬はいずれもこの反応が保たれている.また1日のうち,新しい経口抗凝固薬では抗凝固作用に強弱があり,効果が弱い時に止血がすすむ可能性も指摘されている.4ワルファリンと新規経口抗凝固薬との使い分けあくまでも私見であるが,新規導入の場合は,75歳Current Therapy 2013 Vol.31 No.332789