カレントテラピー 31-10 サンプル

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64 Current Therapy 2013 Vol.31 No.101061いるものの,WHOや日本高血圧学会の推奨する基準(1日当たり6g未満)には依然届かない数値となっている.またこの10年間にはエネルギー摂取量も低下〔国民平均1,954kcal→1,840kcal(94%)〕しており,食べる量が減少したことも食塩摂取量低下の要因として考えられ,国民の舌は決して薄味に慣れてきたとは言い難い状況である.この結果は,減塩食品の品質目標を定める上で重要なウエイトを占めることになる.つまり「減塩食品は薄味に仕上げてしまうと受容性に乏しく,いつもの味に仕上げなくてはならない」ことを示唆している.また,血圧降下と関係性のあるカリウムの摂取量も10年前との比較で低下〔国民平均2,434mg→2,189mg(90%)〕しており,WHO水準とも大きく乖離した結果となっている.これは,カリウムを多く含む牛乳・果実・小麦などの食品の摂取量が欧米に比べて少ない食生活を反映した結果と思われる.一方で食塩の用途別需要量は,財務省の塩需要実績が参考になる(表2).2011年の食品用途需要の合計は1,006千トンで,内訳は食品工業用が818千トン,家庭用・料飲店用食塩は188千トンとなっている.家庭用・料飲店用食塩は10年前から49千トン減少しているが,食塩用途全体の80%以上を占めているのは食品工業用であり,いわゆる調味料や加工食品が日本人の減塩化の鍵を握っている.Ⅲ 減塩食品とは減塩食品とは正確な定義はないが,「ナトリウム量が対照となる食品よりも相対的に低い食品」の総称である.栄養表示基準では,表現方法がナトリウムの含有量によって以下のように定められている.① 含まない旨の表示(「無塩」など):食品100g当たりのナトリウム量は5mg未満② 低い旨の表示(「低塩」など):食品100g当た2001年2006年2011年2011/2001比較食塩(単位:g)国民平均/男女計11.6 10.8 10.1 87% -1.520歳以上/男女計12.2 11.2 10.4 85% -1.820歳以上/男性12.9 12.2 11.4 88% -1.520歳以上/女性11.5 10.5 9.6 83% -1.9エネルギー(単位:kcal)国民平均/男女計1,954 1,891 1,840 94% -11420歳以上/男女計1,969 1,905 1,846 94% -12320歳以上/男性2,194 2,127 2,076 95% -11820歳以上/女性1,778 1,714 1,654 93% -124カリウム(単位:mg)国民平均/男女計2,434 2,334 2,189 90% -24520歳以上/男女計2,495 2,399 2,245 90% -25020歳以上/男性2,575 2,485 2,335 91% -24020歳以上/女性2,427 2,325 2,169 89% -258表1日本人の食塩・エネルギー・カリウムの1日当たりの摂取量データは厚生労働省「国民健康・栄養調査」より抜粋.2001年2006年2011年2011/2001年比較家庭用・料飲店用食塩237 216 188 79% -49食品工業用漬物91 82 87 96% -4みそ64 43 47 73% -17醤油アミノ酸207 170 166 80% -41水産218 198 176 81% -42調味料176 142 123 70% -53加工食品127 117 130 102% 3その他83 116 89 107% 6合計967 868 818 85% -149食品用途合計1,204 1,084 1,006 84% -198表2食塩の用途別需要量(食品用途抜粋/単位:千トン)データは財務省「塩需給実績」より抜粋.